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CPAを下げるには?運用初心者でもわかる効果的な施策と重要ポイント
広告運用をしていて、「CPAを改善したい」と考えている方は多いのではないでしょうか。CPAは顧客獲得のためにかかったコストを表す重要な指標であり、これを下げることができれば、より効率的な広告運用を実現できます。
しかし、CPAを下げるには、適切な戦略と継続的な改善が必要です。本記事では、CPAを下げることの重要性や高騰してしまう理由、CPAを下げるために押さえておくべき指標、効果的な改善方法について詳しく解説します。
さらに、初心者でも実践できる3ステップの改善手順もご紹介します。広告運用の効率化に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次
CPAとは?
CPAは「Cost Per Acquisition」を略した、顧客獲得単価を指す用語です。具体的には、1件のコンバージョン(成果)を獲得するためにかかった費用です。CPAは以下の計算式で算出します。
CPA(円)=広告費用 ÷ コンバージョン数
例えば、広告費用100万円でコンバージョンが100件だった場合、CPAは1万円となります。
特に、効果をリアルタイムで分析し、素早く施策改善に反映できるWeb広告の運用においてCPAは欠かせない指標です。1件のコンバージョン獲得にかかった広告費用を明確に把握することで、広告費用が妥当かどうかを判断でき、効率的な予算配分が可能となります。
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CPAを下げることの重要性
CPAを下げることは、広告費用の効率化と収益性の向上に直結します。CPAが低いほど、費用対効果の高い広告運用ができていると判断できるためです。
例えば、1件の申し込みを獲得するのに1万円かかっていたのが5,000円になれば、同じ予算でも成果は2倍です。また、商品の利益率が20%で、販売価格が5万円だったとします。このとき、CPAが1万円なら利益は0円ですが、CPAを5,000円に下げられれば、5,000円の利益を得られます。
逆にCPAが高騰すれば、それだけ広告費が無駄になっていることになり、改善が必要です。限られた広告予算でより多くの顧客を獲得し、利益を最大化するためには、CPAの改善が欠かせません。
CPAが高騰してしまう理由
CPAが高騰するおもな理由として考えられるのは、以下の3点です。
- ターゲティングの精度が悪い
- 広告の品質が低い
- 競合環境が激しい
これらの要因によって広告効果が低下し、CPAの悪化につながります。
ターゲティングの精度が悪い
いくら良い広告でも、ターゲット層とのミスマッチが生じている場合や、ターゲティング設定が広範囲な場合など、ターゲティングの精度が悪いと成果は得られません。ユーザーの検索意図と広告内容にずれがあると、クリック数は増えても実際のコンバージョンにはつながりにくくなります。
ターゲティングに問題があると、広告費用が無駄に使われていることになり、結果としてCPAが上昇してしまいます。効率的な広告運用を行なっていくためには、適切なターゲティング設定で関心の高いユーザーにのみ広告を表示させることが重要です。
広告の品質が低い
広告の品質は、CPAを大きく左右する重要な要素です。ユーザーにとって広告文や画像に魅力がない場合、クリック率が低下し、広告効果が減少します。
また、ランディングページと広告内容が一貫性を欠いていると、ユーザーの期待と実際の内容にギャップが生じ、離脱率の上昇につながりかねません。さらに、コンバージョンに至るまでの導線が悪いと、せっかく広告をクリックしたユーザーも途中で離脱してしまう可能性が高くなります。
広告のクリエイティブも重要ですが、CPAの改善にはこれらの見直しも必要です。
競合環境が激しい
外的要因として、競合環境もCPAの高騰に大きく影響します。市場の競争が激しい業界では、特定のキーワードに需要が集中しがちです。そのため、広告枠を獲得するための入札競争が激化し、広告費用が増加する傾向があります。
さらに、季節変動や業界トレンドによる一時的な競争激化の影響も大きく、特定の時期において効果的に広告訴求できないケースもあります。そうなると、同じ広告効果を得るのにより多くの広告費用が必要となり、結果としてCPAが高騰してしまうため、然るべき対策が必要です。
CPAを下げるために重要な2つの指標
CPAを下げるためには、CPC(Cost Per Click)とCVR(Conversion Rate)という2つの指標に着目することが重要です。CPCとは、1クリックあたりの広告費用を指します。一方のCVRは、コンバージョンに至る割合、つまりコンバージョン率です。
CPA、CPC、CVRの関係は、以下の計算式で表されます。
CPA = CPC ÷ CVR
この計算式からわかるように、CPCを下げるかCVRを上げる、もしくは両方を達成することでCPAの改善が可能です。
具体例をみてみましょう。
- 現在のCPA:1万円(CPC:500円、CVR:5%)
- 改善後のCPA:6,667円(CPC:400円、CVR:6%)
この例では、CPCを下げつつCVRを上げることで、CPAの大幅な改善につながっていることがわかります。このように、CPAを効果的に下げるためには、CPCとCVRを常に意識しながら広告運用を行なうことが重要です。

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CPAを下げる方法①【CPC(クリック単価)を下げる】
CPAを直接的に改善するには、CPCを下げることが効果的です。CPCを下げるには、おもに以下の3つの方法があります。
- 広告の品質スコア改善
- 競合が少ないロングテールキーワードの活用
- 入札戦略の見直し
それぞれみていきましょう。
広告の品質スコア改善
Google広告には、広告の関連性やユーザー体験を1から10の数値で評価する「品質スコア」があります。品質スコアは、Google広告のパフォーマンス評価の主要な指標です。「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」の3つから成り、これらを改善することで広告のパフォーマンス向上を図れます。
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- 推定クリック率
推定クリック率とは、特定のキーワードで広告が表示された際にクリックされる可能性の高さを指します。推定クリック率を上げるには、ユーザーを魅了しクリックさせる広告文にすることが大切です。キーワードと広告文の適切な組み合わせを見つけ、クリック率を向上させることで、CPCの改善につなげられます。
- 広告の関連性
広告の関連性は、広告がユーザーの検索意図とどれだけ一致しているかを表す指標です。この評価を上げるには、検索キーワードを広告のタイトルや説明文に含める必要があります。また、広告文とリンク先ページの内容の整合性を保つことも重要です。これらを実行することにより、ユーザーの期待に沿った広告を提供できます。
- ランディングページの利便性
ランディングページ(LP)の利便性を向上させるには、関連性の高いコンテンツの追加やページのUI(操作性)改善が重要です。また、ページの読み込み速度を改善すれば、ユーザーの離脱が減り、LPの評価として判定されます。
競合が少ないロングテールキーワードの活用
ロングテールキーワードとは、複数の語句を組み合わせたキーワードです。例えば、「中古マンション リノベーション 費用」のような3語以上で構成されるキーワードを指します。ロングテールキーワードは競合性が低いため、少ない検索ボリュームでも検索上位を狙うことができ、CPCを低く抑えられる可能性があります。
入札戦略の見直し
入札戦略の見直しは、CPCを下げるための重要な施策です。広告目的や予算に応じて適切な時間帯や曜日、デバイス別に入札額を調整することで、より効率的な広告運用が可能になります。自動入札を活用し、上限CPCを設定するなど入札単価を制御する方法も効果的です。
入札戦略を見直し、不要な広告費用の支出を抑えられれば、CPCの低減につなげられます。
CPAを下げる方法②【CVR(コンバージョン率)を上げる】
同じクリック数でも、CVRが上がればCPA改善につながります。ここでは、CVRを上げるための3つの効果的な方法をみていきましょう。
ターゲティングの見直し
CVRを向上させるには、まずターゲティングを見直しましょう。ターゲット設定の条件をより詳細に深く絞り込むことで、CVに至りやすいターゲットだけをピンポイントで狙えるようになります。
具体的には、地域、時間帯、属性などによる絞り込みです。例えば、子育て中の母親向けの商品であれば、特に子どもの送迎時間帯を避けて、平日の午前中や夕方の時間帯に配信することでCVRの向上が見込めます。
ただし、絞り込みすぎるとインプレッションが減少する場合があるため注意が必要です。適切なバランスを取りながら、効果的なターゲティングを行ないましょう。
広告文の改善
ユーザーの検索意図に合致するよう広告文を見直すことも重要です。例えば、具体的な数字の活用や、「今すぐチェック」「無料で試す」などの強力なフレーズを入れてみるとよいでしょう。
また、A/Bテストを実施して効果的な広告文を見つけるのも効果的です。具体例としては、価格を記載した広告とそうでない広告をローテーションで表示し、クリック率やコンバージョン率を比較することで、より効果的な広告文を特定できます。
ただし、キャッチーな広告文を作ることでクリック率が上がっても、見込みの薄いユーザーまで引き寄せてしまいCVRが下がる可能性もあるため注意が必要です。
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CVにつながらないキーワードの除外
自社の商品やサービスの購入につながらない検索キーワードからのユーザー流入が増加すると、コンバージョン率が低下するおそれがあります。そのため、自社の商品・サービスに関連のないキーワードは除外設定しましょう。
例えば、不動産会社が「マンション」というキーワードで広告を出稿したとします。ところが「マンション管理士」や「マンションの防音対策」といった、物件購入とは直接関係のない検索クエリにまで広告が表示されてしまう場合もあります。
これでは、実際に物件を探している人以外にも広告が表示されることになり、広告費用の無駄遣いやコンバージョン率の低下につながりかねません。
Google広告の検索語句レポートなどを活用すれば、不要なキーワードを特定でき、除外キーワードとして追加することで、より適切なターゲティングが可能になります。
CPAを改善するうえで重要な3ステップ

CPAの改善には、問題の特定から解決策の実施まで体系的なアプローチが重要です。以下の3ステップを順番に実行することで、より効率的にCPAを改善できます。
STEP1:問題箇所の特定
CPAを改善する最初のステップは、問題箇所の特定です。まずCPCやCVRなどの各指標をチェックし、どの数値が目標値から乖離しているかを把握します。
また、キーワード、広告グループ、キャンペーンごとのパフォーマンスを比較・分析することも重要です。特に成果の悪いセグメントや、逆に好調なセグメントを識別することで、改善すべき領域が明確になります。
加えて、デバイスやユーザー属性、地域、時間帯などの切り口でデータを分析し、特定の条件下でCPAが高くなっていないかも確認しましょう。
これらの問題箇所を明確に把握することが、CPA改善に向けたファーストステップとなります。
STEP2:原因分析
問題箇所を特定したら、その原因や要因を詳細に分析します。
例えば、クリック単価が高い場合は競合が激しい可能性があり、入札戦略の見直しが必要かもしれません。一方、インプレッション数は多いものの、クリック数が少ない場合、広告のターゲティングや表示設定に問題がある可能性があります。
また、コンバージョン率が低い場合は、ランディングページがユーザーの検索意図に合っていない可能性が高いです。例えば「脱毛」というキーワードで検索したユーザーに対して、脱毛サロンの情報ではなく、痩身や整形の情報を提示しているケースが考えられます。
このように、一つひとつ丁寧に原因を分析し、検証することが重要です。原因の特定を誤ると、適切な対策を講じることができず、CPAがさらに悪化するおそれがあります。複数の要因を考慮しながら、慎重に分析を進めましょう。
STEP3:解決策の選定・実施
原因を分析できたら、その結果に基づいて適切な解決策を選び、実行します。
例えば、広告の品質スコアが低ければ、広告文とキーワードの関連性を高めたり、ランディングページの内容を改善したりすることで、CPCの低減が可能です。また、特定のキーワードのCPCが上昇している場合、ロングテールキーワードを活用することで、より費用対効果の高い広告運用を実現できます。
施策実行後は効果を細かく分析し、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善を図ることが重要です。実行して終わりではなく、毎回効果を測定し、必要に応じて新たな施策を検討・実施することで、その都度効果を最大化できます。
まとめ:CPAを下げてマーケティング効率を最大化しよう
CPAの改善には、CPCとCVRの両面からのアプローチが重要です。継続的なデータ分析やA/Bテストによる最適化などの施策を打ち、ターゲティングの精度向上と広告品質の改善を行なうことが長期的なCPA改善につながります。
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