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広告運用とは?重要視される背景や具体的な業務内容
リスティング広告やSNS広告などが注目されるなかで、導入を検討しているものの、運用方法がわからないという方は多いでしょう。
また、広告運用の具体的な業務内容がイメージできず、導入が思うように進まないケースも見られます。
広告運用は、ターゲットや目的を踏まえて、分析・改善を続けながら効果的な宣伝を行なう業務です。企画立案から作成、配信、分析、改善に至るまで業務内容は多岐にわたり、効果を上げるには専門的な知識が求められます。
本記事では、広告運用の概要や重要視される背景、具体的な業務内容に加えて、必要なスキルも解説します。

目次
広告運用とは

広告運用とは、各媒体で配信している広告の宣伝効果を最大限に発揮するために、ターゲットや予算配分、クリエイティブなどを調整する業務です。
広告には、テレビやラジオ、雑誌などのマス広告やアフィリエイト広告など多様な種類がありますが、ここでいう広告とは、一般的にはWebを中心とした運用型広告が対象となります。
運用型広告とは、目的や予算に基づいてターゲットや広告内容、入札額などをコントロールできる広告です。分析や改善を繰り返しながら、見込み客の獲得や認知度向上などの目標達成を目指します。
Web広告では、インプレッション(表示)数やクリック数などのユーザー行動のデータ化が可能です。数値に基づく効果検証がしやすいうえに、リアルタイムで配信頻度や内容を調整できるため、運用次第では高い効果が得られる可能性があります。
広告運用が重要視される背景
広告運用が重要視される背景として、拡大を続けるWeb広告市場が挙げられます。
総務省が発表した「情報通信白書令和5年版」では、2022年のインターネット広告費は3兆912億円で、マスコミ4媒体(テレビ・雑誌・新聞・ラジオ)の合計である2兆3,985億円を大幅に超えていることが伝えられました。
近年、若者のテレビ離れが叫ばれる一方で、インターネットの浸透やリモートワークの普及によりWebサイトやSNSを使用する人が増えています。これらのデジタル化は広告業界にも大きな変革をもたらし、Web広告はさらなる成長が予想されるでしょう。
併せて、Web広告市場における競争も激化しており、競合に打ち勝つためには広告運用の最適化が求められます。
参照:総務省「情報通信白書令和5年版」
おもな運用型広告3つ
運用型広告には多様な種類があります。本項では、おもな運用型広告として「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」の3つを解説します。
リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告です。「検索連動型広告」とも呼ばれ、おもにGoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンに掲載できます。検索するキーワードに関して積極的に情報を求めているユーザーに広告が表示されるため、顕在層をターゲットにしたアプローチに最適です。
一般的に、リスティング広告ではクリック課金制が採用されています。クリックされなければ費用が発生しない仕組みであり、低予算で始めやすい点が大きなメリットといえるでしょう。また、最短で即日配信できる即効性の高さも魅力です。
ただし、広告内容はテキストのみで表現する必要があります。そのため、画像や動画などのビジュアルでアピールしたい場合には不向きです。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリなどの広告枠を活用してアプローチする運用型広告です。「バナー広告」とも呼ばれ、テキストだけでなく画像や動画などのビジュアルで表現できます。
リスティング広告とは異なり、ユーザーの興味・関心に沿って広告が表示されるため、商材を認識していないものの将来的に顧客となりうる潜在層へのアピールが可能です。また、画像や動画などのビジュアル訴求も可能であり、ユーザーの印象に残りやすい点も特徴といえます。
例えば、ファッションや観光業など、商品の魅力を視覚的に伝えたほうが効果的な商材・業界におすすめです。
ただし、潜在層がターゲットとなった場合、すぐに結果が出るとは限りません。資料請求や新規顧客の獲得よりも、認知拡大を目的に活用されるケースが多いでしょう。
ディスプレイ広告とは?メリット・デメリットとリスティング広告との違い
SNS広告
SNS広告は、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSに表示される広告です。スマートフォンの普及によりSNSユーザーが急速に増える中で、SNS広告は影響力の高い手段として注目を集めています。
SNS広告の大きな特徴は、ユーザーの行動データを踏まえて表示される点です。アカウント登録時に提供されたパーソナルな情報に加えて、「いいね」や「シェア」などの行動から興味関心を分析したうえで広告配信できるため、精度の高いターゲティングが期待できます。
加えて、「ストーリーズ広告」や「スライドショー広告」など多様な表現方法ができる点も魅力で、潜在層へのアプローチにも最適です。
ただし、SNSユーザー以外へのアプローチはできません。媒体によって利用している年齢層が異なるため、商材に合わせて検討することが大切です。
広告運用の5つの業務内容

広告運用は、以下の5つのステップで行ないます。本項では、広告運用の業務内容をステップごとに解説します。
広告の立案
はじめに、広告内容や目的を踏まえて、媒体やターゲット、予算などを検討します。
Web広告は、目的によって適した媒体が異なり、手法を間違うと効果的なアプローチができません。例えば、申し込みや購入など利益に直結する成果を求める場合は、顕在層に向けたリスティング広告が適しています。一方で、認知度向上を目指す場合は、ディスプレイ広告やSNS広告が向いているでしょう。
また、課金形態も多岐にわたるため、予算を踏まえて慎重に検討する必要があります。この段階で広告運用後の目標も定めておくと、配信後の分析に役立つでしょう。
このように、広告の立案時に目的や予算などを具体的にイメージすることが、効果的な広告運用に欠かせないポイントです。
広告の作成
立案した内容を踏まえて、広告配信先に合ったクリエイティブを作成します。
例えば、テキストのみで表現するリスティング広告では、一目でユーザーの心をつかむ魅力的なコピーライティングが必要です。一方で、ディスプレイ広告やSNS広告では、ビジュアル訴求が可能であり、潜在層にも響く動画や画像の作成が求められます。
広告効果を上げるには、クリエイティブと商材の内容をマッチさせることが大切です。また、ユーザーの興味を惹くデザインスキルも欠かせません。より精度の高いクリエイティブに仕上げるには、専門業者に依頼するのもよいでしょう。
広告の入稿・配信
続いて、完成した広告クリエイティブを各媒体に入稿します。入稿作業は管理画面で行なうケースが一般的です。ただし、広告媒体によって手順が異なり、媒体の特性や仕様を間違って入稿すると審査に通らない可能性があるため注意が必要です。
また、ターゲティングや配信するタイミングの設定も重要な業務です。ユーザーの行動を踏まえて、適切な条件に絞りましょう。
配信後の効果検証
広告配信開始後は、クリック数やインプレッション数などを分析する効果測定を行ないます。細かく分析して可視化することで、改善すべき点が明確になり、効果的な運用が可能になります。
効果測定では、立案の段階で定めた目標とどの程度差があるかを検証しましょう。解析ツールを活用すると、スムーズに検証しやすくなります。
また、検証や分析は、定期的に実施することが大切です。Web広告の運用状況は、季節や競合の動き、流行などに影響されて変動します。配信から1日後、1週間後など短期間の検証によって、早い段階で課題を改善しましょう。
改善策の立案
効果検証を踏まえた改善策の立案も、広告運用に欠かせない業務です。
例えば、クリック数は目標に達しているのにもかかわらず、申し込みや購買などのコンバージョンが低い場合は、広告内容と遷移先のLPの内容にズレが生じている可能性があります。また、ターゲットと媒体に相違がある場合も、思うような成果は上がりません。
検証の結果、どこに課題があるのかを分析して、ターゲットや媒体を変更したり、バナーやテキストをより魅力的に改善したりすることが大切です。
改善後は、再度広告を配信して、効果検証を継続していきましょう。
広告運用に必要な5つのスキル
広告運用を円滑に進めるには、以下に挙げる5つのスキルが必要です。本項では、それぞれのスキルについて解説します。
マーケティング能力
広告運用は、Webマーケティングの手法でありマーケティング能力が求められます。
マーケティング能力とは、自社の商材を売るために市場調査や企画などを推進するスキルです。広告運用では、ターゲットの見極めや的確な目標設定、自社ブランディングを踏まえたアプローチができなければ高い効果が得られません。
特に、顧客ニーズが多様化する昨今は、ターゲット層を細かく分析したうえで適切な媒体や広告内容を検討する必要があります。商材によっては、Web広告自体が不向きなケースも考えられるため、広い視野を持ってリサーチすることが重要です。
マネジメント能力
広告効果を上げるには、予算管理やスケジュール管理、メンバー全体のディレクションなどのマネジメント能力も必要です。
特に、複数の商材の広告を配信している場合、マネジメントがうまくいかなければ無駄なコストが発生する可能性があります。また、季節性の高い商材やセール品などは、短期間で高い成果を上げなければなりません。どのような状況でもスムーズに広告運用を進めるには、的確な進行管理が不可欠です。
加えて、広告運用では他部署や外部業者などとの連携も求められます。そのため、マネジメント能力と併せて、コミュニケーション能力も欠かせません。
データ分析能力
広告運用を成功させる鍵は、検証したデータを細かく分析して次に活かすことです。しかし、現状を可視化したデータがあっても、分析するスキルがなければ十分に活用できません。
高い効果を得るには、インプレッション数やクリック数、コンバージョンなどの情報からユーザーの傾向を正確に読み取るデータ分析能力が求められます。また、データから課題を見出し、改善に向けた策を練るには、問題解決能力も必要でしょう。
なお、データ分析時には、アクセス解析ツールを活用するケースがほとんどです。ツールを使いこなせなければ分析自体が不可能となるため、ツールの操作に関するスキルも欠かせません。
発想力
ユーザーの目に止まる広告を配信するには、ターゲットの視点に立ってクリエイティブを作成する必要があります。特に、競合が多い業界では、ほかにはない自社独自の魅力や強みを引き出す発想力が求められます。
また、アイデアをテキストやビジュアルに落とし込む表現力も欠かせません。単純にデザイン性の高い広告を作るのではなく、ユーザーのニーズに働きかけることが大切です。発想力と表現力により商材の魅力を最大限にアピールできれば、コンバージョンの向上が期待できます。
継続力
運用型広告は、配信してすぐに効果が得られないことも多々あります。分析や改善を続けながら、目標達成を目指して運用することが大切です。
特に、Web広告はシーズンや流行、競合の動きに大きく左右されます。継続して効果を得るには、常にリサーチをして最新の情報を獲得し、広告運用に活用しなければなりません。
すぐに結果が出ない場合も、打開策が見つかるまで継続する力が求められます。
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広告運用は高いスキルと知識が求められるため、自社では対応しきれないケースも多いでしょう。そのような場合は外部に依頼してみるのも一つの手です。
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広告運用のおもな手段2つ
広告運用のおもな手段は、「インハウス運用」と「外部委託」の2パターンです。本項では、それぞれの手段を解説します。
インハウス運用
インハウス運用とは、広告立案や作成、クリエイティブ、改善までを自社で一貫して行なう手段です。外注費がかからないため、コストを抑えて広告運用したい場合に適しています。
社内に運用ノウハウが蓄積しやすいほか、広告運用者と関係者が密に連携を図りやすくPDCAを迅速に回せる点がメリットです。
ただし、効果を上げるには、マーケティングやデータ分析に関する高いノウハウやスキルが求められます。自社内に専門性の高い人材がいない場合は、新規採用や人材育成が必要です。各業界で人材不足が叫ばれるなかで、優れた人材を採用するにはその分コストもかかるでしょう。
コストダウンを目的にインハウス運用を選択すると、結果的に人件費や教育費が嵩む可能性があります。
外部委託
広告運用に長けた外部業者に委託する手段もあります。インハウス運用では本業を遂行しながら広告運用にリソースを割く必要がありますが、外部委託であれば社内の負担を軽減することが可能です。
また、高いノウハウを活用できるため、効率的な運用が期待できるでしょう。委託費が発生しますが、採用や人材育成にかかるコストや手間を踏まえると、中長期的な目線ではコスト削減につながります。
ただし、業者によってスキルや得意分野が異なります。事前に実績や評価を確認して、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
まとめ: 効果的な広告運用は株式会社NTTデータ・ウィズがおすすめ
Web広告市場が拡大する昨今、広告運用は企業の成長において欠かせない取り組みです。効果的に運用をするには、ターゲットや目的を踏まえて広告を配信し、分析や改善を繰り返すことが大切です。
インハウス運用も可能ですが、専門的な知識やスキルが求められます。自社にノウハウがない場合は、外部業者に依頼する方法がおすすめです。
株式会社NTTデータ・ウィズでは、広告データ・Google Analyticsなどを用いた分析を踏まえた広告運用に対応しています。広告運用を検討している方は、ぜひお気軽に相談ください。

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