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DSP運用の効果測定が重要な理由|5つの注目指標と実践ステップ
「DSP運用の効果測定をしたいが、適切な指標の選択や分析方法がわからない」という方もいるのではないでしょうか。
DSP運用の効果測定は、広告費用の最適化や効果的なターゲティングを行なううえで非常に重要ですが、適切な指標やツールの選択に悩むことも多いでしょう。
本記事では、DSP運用で効果測定を行なう重要性、効果測定で見るべき重要指標とその活用法、効果測定の手順を解説。加えて、効果最大化のためのテクニック、効果測定で注意すべきポイントもご紹介します。
DSP広告の効果を高めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次
そもそもDSPとは?
DSP(Demand-Side Platform)とは、広告枠の買い付けや配信、クリエイティブ分析などを自動で行ない、広告効果を最適化する広告主向けのプラットフォームです。
手作業で行なっていた入札作業の自動化や、ユーザーの興味・行動に基づいた広告表示が可能になるため、ターゲットに対して効果的かつ効率的にリーチできます。
DSPを活用すれば、広告運用にかかる時間と労力を削減できると同時に、費用対効果を高めることができます。また、無駄な広告表示を減らし、より的確なターゲットに向けた効果的なキャンペーンが可能です。
DSP広告の仕組みを徹底ガイド!導入手順・サービスの選び方と成果を出すためのポイント
なぜDSP運用の効果測定が重要なのか
DSP運用の効果測定は、広告キャンペーンの継続的な改善を行ない、投資効果を最大化するうえで極めて重要なプロセスです。
効果測定で広告のパフォーマンスを正確に把握できれば、ターゲティングの精度向上や広告クリエイティブの最適化が可能となり、PDCAサイクルを効率的に回せます。
また、効果測定を通じて広告費用の無駄を削減することで、費用対効果の高いデジタル広告戦略を実現できます。さらに、継続的なデータ分析と改善により、マーケティング全体の効率化も図れるでしょう。
DSP運用の効果測定で重要な5つの指標
DSP運用では、効果測定を通じて広告のパフォーマンスを詳細に把握し、改善につなげることが大切です。ここでは、DSP運用の効果を測定するうえで特に重要な5つの指標について解説します。

クリック率(CTR)【広告の魅力度を測る】
クリック率(CTR)とは、広告の表示回数に対するクリック数の割合を示す指標です。この指標を見ることで、広告がどれだけユーザーの興味を引いているかを把握できます。CTRは以下の計算方法で求められます。
クリック率(%)=クリック数÷表示(インプレッション)数×100
CTRを改善するためには、ターゲットの絞り込みや、ユーザーにとって魅力的な広告クリエイティブを作成するなどの施策が有効です。A/Bテストを実施して、最も効果的な広告デザインやコピーを見つけ出すのもよいでしょう。
コンバージョン率(CVR)【広告の成果を評価する】
コンバージョン率(CVR)とは、サイトに訪問したユーザーがどれだけ目的の行動(購入、登録など)を取ったかを示す指標です。広告の最終的な成果を評価するために、非常に重要な指標といえます。CVRの計算方法は以下のとおりです。
コンバージョン率(%)=コンバージョン数÷セッション数×100
コンバージョンの目標値は、業界平均や過去の実績を参考にしつつ、広告の目的に合わせて設定することが重要です。
CVRを向上させるテクニックとしては、ランディングページの最適化や効果的なCTA(Call To Action)の設置などが挙げられます。重要なのは、ユーザーがスムーズにコンバージョンに至るまでの導線を設計することです。
コンバージョンとは?初心者でもわかる基礎から実践的な活用法まで
投資利益率(ROI)【広告の収益性を把握する】
投資利益率(ROI)とは、広告投資に対する収益の割合を示す指標です。ROIを分析することで、どの広告が最も効率的に収益を生み出しているかを把握できます。ROIは以下の計算式で算出します。
投資利益率(%)=広告収益÷広告投資額×100
適切な目標値は業界や企業の状況によって異なりますが、100%を超えることを一つの目安とするのが一般的です。
ROIは、「投資額を下げる」あるいは「収益を増やす」ことで高められます。具体的な施策は、広告クリエイティブの最適化や広告費用の効率化などです。
広告投資の効果を最大限に引き出すためには、これらの戦略を総合的に実施する必要があります。
ROIとは?投資効果を測る重要指標の意味と計算方法・活用シーン
クリック単価(CPC)【広告費用の効率を測る】
クリック単価(CPC)とは、1クリック当たりの広告費用を示す指標です。CPCは広告費用の効率性を測る重要な指標で、数値が低いほど予算を効果的に使用できていることを示します。計算方法は以下のとおりです。
クリック単価(円)=広告費用÷クリック数
適正なCPCは業種や検索ボリュームなどによって異なり、それを踏まえて設定することが重要です。
CPCを下げるアプローチとしては、広告文の改善や適切なキーワード選定、入札戦略の見直しなどが挙げられます。これらの対策によって、より少ない費用で多くのクリックを獲得し、広告効果を高めることができるでしょう。
ビューアビリティ【広告の可視性を確認する】
ビューアビリティとは、広告インプレッションのうち、広告がユーザーの目に実際に触れる可能性があったインプレッションの割合を示す指標です。ビューアビリティを確認することで、広告が適切に表示されているかを把握でき、広告効果の向上につながります。
一般的には、広告の面積の50%以上が1秒以上、動画広告の場合は2秒以上表示されることが測定基準です。この基準を満たしている広告は、ユーザーに見られている可能性が高いと判断できます。
ビューアビリティを改善するテクニックとしては、広告配置の最適化、ページ読み込み速度の改善、広告デザインやサイズの調整などが挙げられます。より多くのユーザーに広告を届けるためには、これらの対策を実施し、広告の可視性を高めることが重要です。
DSP運用の効果測定を行なう3つのステップ
DSP運用で成果を出すには、適切な手順に基づく効果測定が欠かせません。ここでは、効果的なDSP運用を実現するための、具体的な効果測定のステップをみていきましょう。
STEP1:目的に応じた適切な指標を設定する
まず、あらためて広告の目的を明確に定義することが重要です。目的が曖昧なままでは、効果測定も適切に行なえません。広告によって何を達成したいのか、具体的な目標を再確認しましょう。
次に、目的に合わせて適切なKPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的にモニタリングを行ないます。
例えば、認知度向上が目的であればインプレッション数やリーチ数を、コンバージョン獲得が目的であればコンバージョン数やCVRなどをKPIに設定する必要があるでしょう。
目的を明確化しKPIを設定すれば、効果測定の方向性が定まります。
STEP2:適切な効果測定ツールを選ぶ
効果測定ツールの選択は、DSP運用の効果を最大化し、広告戦略を最適化するための重要な要素となります。
さまざまな効果測定ツールが存在しますが、正確にデータ収集と分析を行ない、スムーズなPDCAサイクルを回すためにも、自社のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
Google Analyticsなど無料で利用できるものもありますが、より多機能なツールや、DSP独自の分析ツールも存在します。
測定したい指標をカバーしているかに加え、データの精度と信頼性、使いやすさ、ほかのマーケティングツールとの連携性などを考慮してツールを選びましょう。また、選択したツールを最大限活用するための適切な設定も重要です。
STEP3:ほかの広告手法と比較・分析する
DSP運用効果を正確に評価するためには、ほかの広告手法との比較分析が不可欠です。リスティング広告やディスプレイ広告など複数の広告媒体を利用している場合、それぞれの効果を横断的に分析することで、全体的な広告戦略の最適化が可能になります。
例えば、DSP広告とリスティング広告の効果を比較することで、ターゲット層への到達度や費用対効果の違いが明確になります。
さらに、マルチチャネル測定を行なえば、各広告手法の相乗効果や貢献度も把握でき、より効果的なマーケティング戦略の立案が可能です。
DSP運用の効果を最大化するための5つのテクニック

DSP運用の効果をさらに引き出すには、広告パフォーマンスの最適化が不可欠です。ここでは、広告パフォーマンスを向上させるための具体的なテクニックをご紹介します。
ターゲット層を細分化して効果的に広告を届ける
DSP運用の効果を最大化するには、ターゲット層を細分化することが重要です。
ユーザーの属性や行動、興味関心などに基づいて細かくグループ分けする「オーディエンスターゲティング」を行なうことで、より精度の高いターゲティングが可能になります。
例えば、購買履歴やサイト閲覧履歴などのデータを活用し、精緻なセグメントを作成することが有効です。セグメント化によって広告の関連性が高まり、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。
広告デザインの改善と効果検証を行なう
効果的なクリエイティブを制作するためには、ターゲット層の特性を理解し、魅力的なビジュアルやメッセージを作成することが重要です。
A/Bテストを活用し、異なるバージョンの広告の効果を比較すれば、最も高いパフォーマンスを示すクリエイティブを特定できます。定期的な効果測定と改善を繰り返すことで、広告効果の最大化が可能です。
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リターゲティングを行なう
リターゲティングとは、過去にサイトを訪問したユーザーや特定の行動を取ったユーザーに対して、再度広告を表示することです。
すでに興味を示したユーザーに対して効果的にアプローチできるため、コンバージョン率の向上が期待できます。ただし、頻繁に広告が再表示されると逆効果になる可能性もあるため、適切な頻度設定や除外リストの管理が重要になります。
リターゲティング広告とは?仕組み・メリット・注意点を把握して効果的な運用を実現
入札戦略を見直す
DSP運用の効果を最大化するには、入札戦略の見直しも重要です。設定したKPIに基づいて適切な入札額を設定し、パフォーマンスデータを分析して継続的に最適化する必要があります。
例えば、予測したCTRに応じて入札額を調整したり、効率の良いサイトに予算を集中させたりすることで、限られた予算で効果の最大をあげることが可能です。また、AIを活用したカスタム入札戦略を導入すれば、より精緻な最適化が可能になり、ROIの向上につながります。
複数デバイスにまたがる広告配信を行なう
現在のユーザーは複数のデバイスを利用し、ブラウザやアプリをまたいでサービスを利用することが一般的になっています。
このような行動パターンに対応するため、ユーザーが使用する複数のデバイス(スマートフォン、タブレット、パソコン)にまたがって一貫したメッセージを届けるクロスデバイスターゲティングが有効です。
例えば、スマートフォンで検索した商品をパソコンで購入するユーザーに対し、デバイスをまたいで適切なタイミングで広告を表示することで、コンバージョン率の向上が期待できます。
また、各デバイスの特性に合わせた広告フォーマットを使用すれば、より効果的なアプローチが可能です。
広告運用はプロにお任せ!
広告運用では、精度の高い配信のためにターゲティングの調整を繰り返し、入札戦略やクリエイティブを最適化し続ける必要があります。市場の変化に反応し、配信データを正しく分析する高度なスキルも不可欠です。
NTTデータ・ウィズはNTTデータグループの一員として、実績豊富なコンサルタントが確かな運用力でお客様のマーケティングを支援します。
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DSP運用の効果測定における3つの注意点と対策
DSP運用の効果を正しく評価するためには、押さえておくべき注意点がいくつかあります。これらの注意点を見落とすと、広告効果を過大評価したり、逆に重要な成果を見逃したりする可能性もあるため、しっかり把握・対策しましょう。
アトリビューション分析で広告効果を正しく評価する
アトリビューション分析とは、ユーザーがコンバージョンに至るまでにどのような広告に接触したかを分析し、各広告の貢献度を評価する方法です。この分析によって、どの広告がコンバージョンに貢献しているのかを明らかにできます。
アトリビューション分析には、ラストクリックモデル、ファーストクリックモデル、線形モデルなど、複数のモデルがあります。これらのモデルを適切に選択し、分析することが重要です。
適切なアトリビューション分析を行わないと、特定の広告の効果を過大評価し、ほかの重要な広告の効果を見逃してしまう可能性があります。正確な評価のためには、適切なモデルの選択と詳細な分析が求められます。
アトリビューション分析の効果・メリットとは?分析モデルの種類とツール
不正クリックや偽の広告表示に注意する
ボットによる不正クリックや「見えない広告」などの不正行為(アドフラウド)にも注意が必要です。アドフラウドは広告業界において非常に問題視されており、対策を怠ると大きな損失につながります。
これらの不正行為が起こると、広告費用を無駄に支払うことになるだけでなく、効果測定の精度も大幅に低下します。不正なデータに基づいて最適化を行なっても、期待した効果は得られません。
アドフラウドを回避するには、信頼できるDSPやツールの利用、不自然なトラフィックパターンの監視などの対策を徹底しましょう。定期的な監査と対策の見直しを行なうことも大切です。
個人情報保護に配慮して効果測定を行なう
DSP運用の効果測定を行なう際には、個人情報保護に配慮することが重要です。特に、GDPR(一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などの国際的なデータプライバシー法規制に注意を払う必要があります。
これらの規制は、個人データの収集や使用、保護に関する厳格な規制を設けており、効果測定にも大きな影響をおよぼします。
対策として、ファーストパーティデータの活用やAIを活用したデータ分析など、プライバシーへの配慮と効果的な広告運用を両立できる測定手法を採用する必要があります。
まとめ:DSP運用の効果を最大化し、デジタル広告戦略を成功に導こう
DSP運用の適切な効果測定は、デジタル広告戦略の成功に不可欠です。
効果測定では目的に応じた指標をKPIに設定し、セグメンテーションやクリエイティブの最適化を行なうことが重要となります。継続的な改善により、DSP運用の効果を最大化し、ビジネスの成長を加速させましょう。
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