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リスティング広告を自社運用する|メリット・デメリットや始める際の手順
自社商品やサービスに関するデジタルマーケティングを実施する方法の一つに、リスティング広告の出稿が挙げられます。自社運用も可能なため、リスティング広告の出稿を検討している企業担当の方もいるでしょう。
しかし、社内に経験やノウハウを持つ人材がおらず、そもそも何から手を付ければ良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
リスティング広告を自社運用するためには、まずリスティング広告への理解を深め、運用開始に必要な準備を整えておくことが大切です。
この記事では、そもそもリスティング広告とは何なのか、自社運用するメリット・デメリット、自社運用の具体的な手順などを解説します。

目次
リスティング広告に関する基礎知識
リスティング広告とは、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に、検索結果の上部や下部に表示される広告のことで、「検索連動型広告」や「PPC広告」とも呼ばれます。
代表的な掲載媒体として挙げられるのは、「Google」と「Yahoo!JAPAN」で、検索結果と関連性の高い広告が表示される仕組みになっています。
リスティング広告のおもな目的は、ターゲットユーザーを自社のランディングページ(LP)へ誘導し、商品やサービスの購入・問い合わせにつなげることです。適切なキーワード選定と広告運用により、効果的な集客が可能になるでしょう。
広義では、検索キーワードに応じて表示される「検索連動型広告」と、Webサイトのコンテンツに応じて表示される「コンテンツ連動型広告」の2種類に分類されます。
リスティング広告を自社で運用することは可能?
リスティング広告の一般的な運用方法としては、自社運用と代行業者に依頼する2つの方法が挙げられます。
リスティング広告は、設定画面から手順に沿って進めていけば広告を開始することができるため、自社での運用も可能です。
ただし、リスティング広告のパフォーマンスは、運用する人が持つスキルやノウハウによって変わるため、どのように運用していくかで成果に違いが出る可能性があります。
リスティング広告を始める際には、誰が運用していくのかを決めることも重要な要素といえるでしょう。
広告運用のインハウス化とは?メリット・デメリットや導入の流れ
リスティング広告を自社運用する5つのメリット

代行業者に依頼する選択肢もあるなか、リスティング広告を自社運用することにどのようなメリットがあるのでしょうか。
運用ノウハウを社内に蓄積できる
リスティング広告を自社運用することで、運用におけるノウハウを社内に蓄積できます。試行錯誤を繰り返し、運用ノウハウが確立されれば、ほかの事業に横展開することも可能になるでしょう。
また、運用チームを作り複数人で担当すれば、より多くのスタッフがノウハウを獲得できます。蓄積されたノウハウを大勢のスタッフで共有すれば、担当者の属人化を防ぐことにもつながります。
コストを最小限に抑えられる
リスティング広告を自社運用することで、代行業者への依頼料が発生しないのもメリットの一つです。特に、単価の安い商材を扱う場合、依頼料はより大きな負担となるため、依頼料が発生しないことは大きなメリットといえるでしょう。
自社運用によって依頼料がかからない分、その費用を広告費に回すことも可能です。
スピード感を損なわずに対応できる
リスティング広告の運用を代行業者に依頼する場合、急を要する連絡事項や方向転換などがあっても、対応までにタイムラグが生じる可能性があります。
自社運用であれば、社内で必要なタイミングに実行できるため、スピード感のある運用が可能です。
広告運用に関係のある部署同士が円滑に連携できる
リスティング広告を運用するにあたっては、LPO(ランディングページ最適化)を行なうことがあります。
※LPO(ランディングページ最適化)……Webサイトのランディングページをユーザーのニーズに合わせて改善するマーケティング手法
ほかにも、サービス内容の変更や追加などを行なうこともあるでしょう。
ランディングページと広告の両方に作業が発生するケースでは、社内の広告運用チームとWeb制作チームの連携が円滑であることが理想的です。
また、営業部門やカスタマーサポート部門などとも連携を取りやすい状況にできれば、顧客の声やニーズに応じた対策を講じることが可能になります。
最低予算の制限などを気にせずに取り組める
代行業者に運用を依頼する場合、最低予算が設定されているケースもあるため、少額の予算では依頼ができない可能性があります。
自社運用であれば、最低予算を気にすることなく少ない予算から気軽に取り組めます。「初めは少額で試したい」「広告に割ける予算が少ない」など、自社の都合を最優先に取り組めるのは、自社運用のメリットの一つでしょう。
リスティング広告を自社運用する5つのデメリット
リスティング広告の自社運用を検討している場合は、メリットだけでなくデメリットへの理解も深めておきましょう。
情報の収集に時間を要する
リスティング広告の技術や仕組みは常にアップデートされているため、広告を運用する際は、最新情報に敏感でいなければなりません。自社運用で成果を得るには、自社の運用状況のほかに、競合や市場の状況などもキャッチアップすることが重要です。
代行業者に依頼した場合は業者から最新情報を共有してもらえますが、自社運用となれば、情報収集に膨大な時間を要する可能性があります。
効率的に情報を得るためにも、広告運用に関連のある講習やセミナーに積極的に参加して勉強するのが理想的です。
さまざまなコストがかかる
リスティング広告を自社運用する場合、代行業者への依頼料はかかりませんが、それ以外にもさまざまなコストがかかります。
運用を行なう人員の確保にかかる人件費や、スキルアップのための育成費、作業環境を整備する費用、ツールの導入および利用料などが必要です。
運用を始めたばかりの時期やノウハウ不足で成果が出ていなくても、一定のコストがかかることを理解したうえで取り組まなければなりません。
状況によっては成果を得られない可能性がある
リスティング広告を自社運用する場合、得られる成果は担当者の持っているスキルやノウハウに左右されます。
そのため、期待していたほどの成果が得られない可能性もあることを理解しておきましょう。
このような状況を改善するためには、時間をかけてノウハウを蓄積したり、経験者を新たに雇用したりと、成果につながる対策を検討することが大切です。
わからないことがあっても相談する相手がいない
リスティング広告を運用していると、さまざまな課題や問題にぶつかることもあるでしょう。
代行業者に依頼している場合は、担当者に相談することができます。しかし、自社運用の場合は相談できる相手がいないため、社内で解決できる人材がいなければ業務を止めてしまう可能性があります。
このような状況を最小限に抑えるためには、外部から人材を獲得したり、リスティング広告媒体(GoogleやYahoo!JAPAN)の担当者に相談したりするとよいでしょう。
担当者が変わる際に引継ぎを行なわなければならない
都合により担当者が変わる場合、前任者と後任者の運用スキルが同等レベルとは限りません。同等の運用スキルを習得するまでにはある程度の時間を要するため、引継ぎが難航する可能性もあります。
担当者の変更により、成果に大きな影響がおよぶ可能性があることも理解しておくことが大切です。

リスティング広告を自社運用する手順

実際にリスティング広告を運用する場合、どのような手順で進めていけば良いのでしょうか。ここでは、運用する際の具体的な手順を解説します。
1.媒体を選択する|GoogleまたはYahoo!JAPAN
まずは、広告を運用するための媒体を決める必要があります。総務省の情報によれば、検索エンジンの利用率は、Googleが77.3%、Yahoo!JAPANが14.08%です。
Googleのほうが利用率は高いため、Googleを広告運用の媒体に選択したほうが多くのユーザーに広告を届けられる可能性が高いと考えられます。
ただし、必ずしもGoogleで成果が得られるとは限らないため、予算に余裕がある場合は、双方で予算を均等に配分してテストを実施するとよいでしょう。
2.リスティング広告の開設画面から設定を進める
Google広告は、無料でアカウントを開設できます。Google広告を開設する際にはGmailが必要になるため、事前に用意しておくとスムーズに作業を進められるでしょう。
Yahoo!広告においても、無料でアカウントを開設することが可能です。Yahoo!広告を利用する際は、会社情報やメールアドレスが必要になります。また、SMS認証を利用する場合は、利用できるスマートフォンも用意しておきましょう。
リスティング広告の開設画面では、以下のような項目の設定を行ないます。
- アカウントの開設
- ターゲットの設定
- キーワードの選定
- キャンペーンの設定
- 広告文の作成
<アカウントの開設>
開設できるアカウント数は、基本的に1社(または1サービス)当たり1アカウントとなっています。
<ターゲットの設定>
広告を出稿するには、ターゲットの人物像を明確にしておく必要があります。ターゲットが不明瞭なままだと、効率的なアプローチができず、コスト増大につながる可能性があるためです。
効率的にアプローチをするためにも、年齢や居住地、趣味、性別などを具体的に設定しておきましょう。
<キーワードの選定>
キーワードを選定する際は、ビッグワードやスモールワードを使い分けて選定する方法が効果的です。
ビッグワードとは検索エンジンで検索回数の多いキーワードのこと、スモールワードとは検索回数が少なめでいくつかの単語を組み合わせたキーワードのことを意味します。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、必要に応じて使い分ける知識やスキルが求められるでしょう。
<キャンペーンの設定>
キャンペーンでは、広告予算や配信する地域、日時など、ターゲットに合わせてさまざまな項目を細かく設定します。
<広告文の作成>
広告文の作成では、商品やサービスの特徴、メリットなどを簡潔に伝える文章を入力します。ターゲットの関心を引くためにも、競合の広告文を分析したり、具体的な数値を用いたりするのがおすすめです。
3.コンバージョントラッキングを実施する
コンバージョントラッキングとは、広告ごとの獲得CV数を確認するための機能のことです。獲得CV数を確認するためには、該当ページにコンバージョンタグを埋め込む必要があります。
広告配信後はコンバージョントラッキングを活用し、メンテナンスを実施するとよいでしょう。
4.分析・改善を繰り返し行なう
リスティング広告は配信された時点で終わりというわけではなく、分析および改善を繰り返し実施することで最適化されていきます。そのため、掲載された回数やクリックされた回数など、詳細に確認することが大切です。
日頃からPDCAを回し、ユーザーニーズに合わせていくようにしましょう。
リスティング広告を自社運用する際のポイント3つ
リスティング広告を自社で運用する際には、ここで紹介する3つのポイントを押さえておくことが大切です。
明確な目標を設定してから運用する
目標が曖昧なままリスティング広告を運用しても、広告の良し悪しや目標達成の方向性、有効な施策などが定まりません。そのため、運用前に明確な目標を設定しておくことが大切です。
具体的には、目標の売上金額、目標に対して許容できる広告費、売上達成に必要なコンバージョン数、1件当たりで獲得できる利益などを設定するとよいでしょう。
初めての広告運用時は控えめの予算で始める
リスティング広告を始めたばかりの段階では、運用に失敗して損失を被る可能性があります。そのため、予算を設定する際は、少額にとどめておくことが大切です。
自社での運用を始める際は、まず小規模なテストを積み重ね、段階的に予算を増やしていく方法で進めていくとよいでしょう。
PDCAサイクルで効果測定や改善を繰り返す
広告運用のデータが蓄積されていったとしても、効果測定を実施しなければ成果につながっている要素や改善点などを把握できません。
また、改善しないまま運用し続けることで、ユーザーニーズに合っていない広告文を掲載し続けるなど、予算を無駄に使ってしまう可能性もあるでしょう。
自社運用を成功させるためには、蓄積されたデータを活用し、テストや改善を繰り返すことが大切です。
リスティング広告の運用を外注したほうが良いケース
企業によっては、リスティング広告の運用を外注したほうが良いケースもあります。
例えば、専門的な知識やスキル、運用経験などを持っている人材がいない場合は外注を検討するのがおすすめです。社内にそのような人材がいないと、適切な広告費などがわからず必要以上のコストがかかってしまう可能性があります。
社内リソースが不足している場合も、ほかの業務が滞ってしまったり運用に支障をきたしたりする可能性があるため、外注したほうがよいでしょう。
また、自社運用で成果を出すには時間がかかることが予想されるため、短期間で成果を出したい場合も外注を検討すべきケースといえます。
リスティング広告の外注を推奨する4つのポイントと外注先の選び方
リスティング広告を外部委託する場合の業者選定方法
自社の広告運用を外部に委託する場合は、以下のことを意識して業者を選定することが大切です。
- 最低出稿金額が設定されているか、また設定されている場合の金額は適正か
- 運用手数料と状況が見合っているか
- リスティング広告の運用代行に強みを持っているか
- デジタルマーケティング全般に対応しているか
対応内容は業者によって異なるため、自社の要望を考慮しながら対応してもらえるかどうかを見極めましょう。
リスティング広告代理店の賢い選び方12選|費用相場やメリット・デメリット
まとめ:リスティング広告の自社運用が厳しい場合は株式会社NTTデータ・ウィズの一気通貫支援
リスティング広告の自社運用は、メリットやデメリット、運用の手順、運用にあたってのポイントなどへの理解を深めることで実現できます。
ただし、運用経験やスキルを持っている人材がいなければ、理想といえる結果を出すのは難しいでしょう。
株式会社NTTデータ・ウィズでは、広告運用・Webサイト制作・システム開発・マーケティングコンサルティング・BPOなど、一気通貫での支援が可能です。広告運用に関する支援が必要な際は、お気軽にご相談ください。

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