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リスティング広告のアカウント構成|作成手順と成果を生み出すポイント

リスティング広告のアカウント構成|作成手順と成果を生み出すポイント

「リスティング広告のアカウント構成とはどのようなものか」「作成するにはどうしたら良いのか」とお悩みの方もいるでしょう。

リスティング広告のアカウント構成は、階層構造になっています。正しい手順を踏めば作成できますが、成果につなげるにはいくつかのポイントを押さえることが重要です。

この記事では、リスティング広告のアカウント構成の作成手順や重要性、成果を生み出すポイントなどを解説します。広告運用の担当者が把握しておくべき内容が詰まっているため、ぜひ最後までご覧ください。

なお、NTTデータ・ウィズはリスティング広告運用だけでなく、さまざまな角度からお客様をサポートしています。詳しくはこちらをご覧ください。

リスティング広告のアカウント構成は階層構造

リスティング広告は、アカウント、キャンペーン、広告グループ、広告・キーワードの要素で構成された階層構造になっています。これはGoogle広告、Yahoo!広告どちらも同様です。

以下では、構成要素の概要や設定できる項目を1つずつ紹介します。

アカウント

アカウントは、リスティング広告運用の最上層の管理単位です。基本的には、1企業につき1アカウントを運用しますが、ドメインが異なる場合は分けることもあります。

アカウントで設定できる項目は以下のとおりです。

  • ログインメールアドレス
  • パスワード
  • 支払い情報

キャンペーン

キャンペーンは、広告グループをまとめるための管理単位です。設定できる項目は以下のとおりで、このうち日予算と配信地域が設定できるのはキャンペーンのみです。

  • 日予算
  • 広告掲載方式
  • 配信地域
  • 配信スケジュール
  • 配信する曜日・時間帯
  • 配信デバイス
  • 除外キーワード
  • 入札戦略
  • 広告の最適化
  • 属性ターゲティング
  • 広告表示オプション

リスティング広告のキャンペーン|設定できる項目と適切な分け方

広告グループ

広告グループは、広告とキーワードをまとめるための管理単位です。複数の広告グループを作成する場合は、それぞれで異なる設定をすることもできます。

設定できる項目は以下のとおりです。

  • 入札価格
  • 除外キーワード
  • 配信デバイス
  • 属性ターゲティング
  • 広告表示オプション

広告

広告は、ユーザーがキーワードを検索した際に実際に表示される広告を指します。設定できる項目は以下のとおりです。

  • 広告の見出し
  • 説明文
  • リンク先のURL
  • パス

キーワード

キーワードは、ユーザーの検索ワードに対して広告を表示させるか決めるための語句・フレーズを指します。登録した語句・フレーズをユーザーが検索したとき、該当する広告グループの広告が表示される可能性があります。

設定できる項目は以下のとおりです。

  • 入札価格
  • マッチタイプ
  • カスタムURL

リスティング広告のアカウント構成例

例えばアカウントに「家電量販店」というキーワードを設定する場合、上図のような構成を作ることができます。

リスティング広告のアカウント構成は時代の流れにより変化

Googleのアルゴリズムが時代によって変化しているように、適切なアカウント構成も変化しています。デジタルマーケティングにかかわる方は、必ず把握しておきましょう。

以前は1広告グループにつき1キーワードが主流だった

過去のアカウント構造は、1広告グループにつき1キーワードのように細分化して設定するのが主流でした。細かく分けて配信することで、各キーワードのニーズに合った広告文を狙って配信できたのです。

また、キーワード単位での細かい設定も可能でした。

一方で、広告改善に必要なデータを収集しにくい、運用に手間がかかるなどのデメリットもありました。

2013年頃から「Hagakure」が推奨されるようになった

時代とともに技術が進歩し、機械学習や自動入札の精度が高まった結果、2013年頃から新たに「Hagakure」が推奨されるようになりました。Hagakureは従来とは真逆の構造で、アカウント設計をできる限りシンプルにするという考え方です。

テーマごとに広告グループを集約させれば、これまでキーワードごとに分散されていたデータをまとめられます。これにより自動入札戦略が働きやすくなり、効率的に改善施策へと取り組めるようになったのです。

さらに時代が進み2016年に「GORIN」、2019年に「mugen」が提唱されましたが、これらもHagakureのアカウント構造をベースにしています。

リスティング広告でアカウント構成が重要な理由

リスティング広告で成果をあげるには、アカウント構成の最適化が欠かせません。その理由は以下の3つです。

効果が出やすいものに予算を集中投下できる

アカウント構成を最適化し、キャンペーンの本数を絞ることで、効果が出やすいものに予算を集中投下できます。効果が高いと判明したものに、より多くの予算を割くことも容易でしょう。

無駄な広告費を削減しつつ、広告効果を最大限に発揮できるのです。

データの素早い蓄積と自動入札戦略の成果向上につながる

アカウント構成をシンプルにまとめることで、効率的にデータを蓄積できます。自動入札のPDCAが早まり、CPA(1件当たりの成約獲得にかかった費用)の抑制も期待できるでしょう。

広告グループのデータが分散されていると自動入札が働きにくくなり、手動で対応しなければならない場面が出てくるケースもあります。

リスティング広告を管理しやすい

アカウント構成がシンプルかつ整理されていると、素早く状況を認識できるため、リスティング広告を管理しやすくなります。チームでリスティング広告運用に取り組んでいる場合も、各担当部分を把握しやすくなるでしょう。

工数削減や人的ミスの防止、コストカットにつながり、何か問題が発生した場合もスムーズに原因を特定できます。

リスティング広告のアカウント構成|作成手順

リスティング広告のアカウント構成は、以下の流れで作成します。

  1. ターゲットを決める
  2. キーワードを選定する
  3. マッチタイプを決める
  4. 広告グループを作成する
  5. キャンペーンを設定する
  6. 広告文を作成する

なお、ドメインの異なる別の店舗の広告なら、企業自体は同じでも複数枠に表示される可能性はあります。しかし、さまざまな場所に広告を出したいからといって複数アカウントで同一ドメインの広告を出すのはNGのため注意してください。

1.ターゲットを決める

最初に、何を訴求するか考えたうえでターゲットを決めます。

リスティング広告は、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に表示される広告です。「抱えている悩み」「年齢や性別、子どもの有無」など、ターゲットを明確にしておかないと、購買意欲をかき立てる広告を作成できず、成果を生み出せない可能性があります。

ペルソナを考えるなど、ユーザーのニーズや検索行動を深く分析しましょう。

2.キーワードを選定する

キーワードを選定する際は、まず軸キーワードを決めます。軸キーワードとは、「ネイルサロン」「家電量販店」など、自社商品やサービスに深く関連するワードのことです。

軸キーワードは、ユーザーの検索意図に合ったものを設定します。トップページへ誘導したいのか、特定の商品・サービスページへ誘導したいのかによっても軸キーワードは変わるため、気を付けましょう。このとき、類義語や言い換えも洗い出しておきます。

次に軸キーワードと一緒にユーザーが検索すると思われるキーワード(かけ合わせキーワード)を選びます。例えば軸キーワードが「ネイルサロン」なら、「安い」「三宮」などです。

どちらの場合も、キーワード選定をサポートするようなツールを使うと作業を効率的に進められます。

【Web担当者必見】リスティング広告のキーワード選定で成果を最大化させる方法

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3.マッチタイプを決める

軸キーワードとかけ合わせキーワードを決めたら、これらを組み合わせて登録します。その際、適切なマッチタイプを選びましょう。

マッチタイプとは、登録したキーワードとユーザーの検索ワードがどの程度一致しているかによって、広告を表示するか決められる設定です。以下の3種類があります。

  • 完全一致:登録キーワードと完全に一致した場合に広告を表示する
  • フレーズ一致:登録キーワードと同じ意味の語句を含んでいる場合に広告を表示する
  • 部分一致:登録キーワードと関連性がある場合に広告を表示する(意味合いが異なる場合含む)

完全一致はターゲットに近いユーザーに訴求できますが、キーワードと完全に一致しないとリスティング広告が表示されません。機会損失を避けるため、フレーズ一致や部分一致も検討するとよいでしょう。

マッチタイプを上手に使い分けて成果アップ!3つの種類と適したシーン・有効活用のポイント

4.広告グループを作成する

キーワードとマッチタイプが決まったら、広告グループを作成します。広告グループは、以下の2点を参考に分けましょう。

広告グループの分け方のポイント!運用のコツも押さえて掲載順位の高い広告を目指そう

リンク先のURLで分ける

リンク先のURLが異なる場合は広告文も変わるため、別の広告グループとして作成します。ユーザーが広告をクリックした際、興味を持った内容と関連性の低いページが表示されると、すぐに離脱されてしまうでしょう。

なお、「URLは同じだがマッチタイプが違う」という場合は、同じ広告グループにまとめることをおすすめします。

訴求の仕方や内容で分ける

訴求の仕方や内容が異なる場合も、別の広告グループとして作成します。例えば「ランニングシューズ」と「ビジネスシューズ」では、ターゲットや訴求ポイントが異なるため広告グループも分けるべきだと考えられます。

5.キャンペーンを設定する

広告グループを分けたら、それぞれをまとめてキャンペーンを作成しましょう。細かく分けすぎないよう、キャンペーンは商品カテゴリや広告の目的といった大枠を決めて分けていきます。

そのあと、以下の項目を設定します。

日予算

日予算とは、1日当たりの予算の平均額を指します。広告表示機会の損失を防ぐため、設定する際は入札単価と予算のバランスを考えるようにしましょう。

なおGoogle広告では、コンバージョンやクリックを獲得しやすい日に限り、日予算をオーバーするケースもあります。

配信する曜日・時間帯・地域ターゲティング

ターゲットユーザーに的確にアプローチできるよう、配信する曜日・時間帯・地域ターゲティングを設定します。例えばサラリーマンがターゲットなら就業時間前後、学生がターゲットなら学校終わりの夕方~夜の時間帯に配信するのが効果的といえます。

除外キーワード

除外キーワードとは、特定の言葉を含む検索に対して広告を表示しないようにするキーワードです。例えば「バスケットシューズ」という言葉を設定した場合、この言葉を含む検索ワードのときは広告が表示されなくなります。

除外キーワードを適切に設定することで、無駄な広告費を抑えられます。

広告表示オプション

広告表示オプション(アセット)とは、電話番号や商品の価格など、見出し・広告文以外の情報を表示できる機能のことです。設定することで視認性が高まり、広告の品質にも良い影響を与えます。

6.広告文を作成する

最後に、広告グループごとに広告文を作成します。成果につなげられるよう、ユーザーの興味関心を引けるような文章を意識しましょう。サイト名や商材名、検索ワード、競合他社と差別化できる要素などを入れ込むのも大切です。

なお、1広告グループごとに3つ以上の広告文を設定しておくと、機械学習によってユーザーに合った広告文を自動的に表示してくれます。

効果的なリスティング広告の広告文を作るには?ポイントや注意点と改善策

リスティング広告の作成・運用はプロにお任せ!

リスティング広告のアカウント構成を最適化するには、キーワード選定やキャンペーンの設定内容など、さまざまな点を考慮しなければなりません。しかし、専門知識や運用ノウハウがないと、難しい場面も多いでしょう。そのような場合は外部に依頼してみるのも選択肢の一つです。

NTTデータ・ウィズはNTTデータグループの一員として、実績豊富なコンサルタントが確かな運用力でお客様のマーケティングを支援します。

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効果的なリスティング広告のアカウント構成・2つのポイント

リスティング広告の成果を生み出すには、どのようなポイントを意識したら良いのでしょうか。特に運用初心者の方は、しっかりと覚えておきましょう。

なるべくシンプルなアカウント構成にする

リスティング広告は、アカウント構成を最適化することでコンバージョンの増加やCPAの抑制などが見込めます。しかしアカウント構成が複雑だと、データが分散され機械学習が進みにくくなるでしょう。

要素を細かく分けすぎた場合は、余計な工数が発生する、1キャンペーン当たりに割り振られる予算が少なくなるといったデメリットもあります。

これらを防ぐためにも、なるべくシンプルなアカウント構成になるよう心がけることが大切です。

ユーザーのニーズと合うよう作成する

どれだけ魅力的な広告でも、ユーザーのニーズと合っていないと成果にはつながりにくいものです。例えば「ランニングシューズが欲しい」というユーザーに対してバスケットシューズの広告を表示しても、商品購入に至る可能性は極めて低いといえます。

ニーズを把握するためにも、まずはターゲットユーザーが抱えている問題や解決したい事柄を洗い出しましょう。きちんと分析すれば、ユーザーの目にとまるような広告文は何かを理解しやすくなります。

リスティング広告のアカウント構成作成時の注意点3つ

アカウント構成時は、以下の3点に注意してください。

【キーワード選定時】検索意図が被っているキーワードを設定しない

検索意図が被っているキーワードは設定しないようにしましょう。データが分散して機械学習が進まない可能性があります。

例えば「誕生日 プレゼント」と「プレゼント 誕生日」、「犬」と「イヌ」、「安いテレビ」と「安価なテレビ」などは、いずれもユーザーの検索意図が同じと考えられます。

【広告グループ作成時】各要素をなるべくまとめる

広告グループは細かく分けず、なるべくまとめることをおすすめします。キーワード選定時と同様、細かく分けすぎるとデータが分散し、機械学習の妨げになる可能性があるためです。

すべての広告グループをまとめる、もしくは1訴求につき1広告グループを心がけるのが大切です。

ただし、「Hagakure」が提唱される前は1広告グループにつき1キーワードと細かく分けて作成するのが主流でした。

前任者からリスティング広告の運用を引き継いだ場合は、マッチタイプごとや1キーワードごとに広告グループが作成されている可能性があるため、よく確認しておきましょう。

【キャンペーン設定時】基本的には商品・サービス・デバイスごとにキャンペーンを分けない

キャンペーンも細かく分けすぎないよう気を付けましょう。日予算が不足したり、本来のパフォーマンスを発揮できなかったりする可能性があります。

とはいえ、稀に商品やサービス別に分けるケースもあるため注意が必要です。

当社ではリスティング広告運用やマーケティング分析を一気通貫で支援

NTTデータ・ウィズでは、リスティング広告運用のサービスを提供しています。過去には、アカウント設計の見直しおよび自動入札の導入により、CV数が25%アップ、CPAが40%改善した事例もありました。

また、マーケティング分析やコンサルティングなど、あらゆる要素をまとめて支援できるのが当社の強みです。

「このアカウント構成で問題ないか不安」「メインの業務に精一杯で広告運用に力を入れられていない」などでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちらです。

まとめ:リスティング広告のアカウント構成を最適化して成果につなげよう

アカウント構成は階層構造になっており、「Hagakure」の登場によってシンプルな設計が推奨されるようになりました。作成手順や意識すべきポイントがわからない方は、本記事を参考にしてみてください。

アカウント構成を最適化すれば、効果が出やすいものに予算を集中投下できるだけでなく、入札調整のPDCAが早まってCPAの抑制にもつながります。

また、リスティング広告のアカウント構成にお悩みの方は、外部へ依頼するのも一つの手段です。NTTデータ・ウィズでは、リスティング広告運用をはじめ、さまざまなサポートを行なっています。

詳しくはこちらをご覧ください。

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