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リスティング広告の分析方法とは?分析の必要性・9つの指標・適切な分析のポイント

リスティング広告の分析方法とは?分析の必要性・9つの指標・適切な分析のポイント

リスティング広告の運用で最大限の成果を得るには、指標を用いた分析が必要です。リスティング広告を適切に分析するには、指標を理解したうえで、手順に沿って分析することが大切です。

当記事では、リスティング広告を分析する必要性、9つの指標と分析の手順、適切な分析をするためのポイントなどについて解説します。

リスティング広告の特徴

リスティング広告(検索連動型広告)とは、検索エンジンでキーワードを入力した際、検索結果画面の上部や下部に表示されるテキスト広告のことです。リスティング広告の出稿先は、GoogleとYahoo!JAPANの2種類です。

リスティング広告は検索結果に表示されるため、ユーザーの検索意図に合う商品やサービスを訴求できるのが最大の特徴です。

ユーザーは検索キーワードに対してニーズや関心を持っているため、ほかの広告手法と比べてコンバージョン率(CVR)が高くなる傾向にあります。

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リスティング広告運用で分析が必要な理由

リスティング広告の運用で分析が不可欠な理由として、以下のことが挙げられます。

  • リスティング広告の成果と改善点を把握できない
  • 効果のない広告に予算を割いてしまう
  • 分析を怠ると、競合他社に差をつけられる
  • 競合が多いキーワードに出稿することで、クリック単価(CPC)が高くなる

リスティング広告を導入する目的は、商品の購入や資料請求など、コンバージョン率(CVR)の向上が基本です。リスティング広告の運用を成功させるには、現在の成果や課題点を分析し、必要に応じた改善策を講じることが大切です。

分析を怠ると広告のパフォーマンスが低下するだけでなく、効果がない広告に予算を割いてしまう可能性があります。想定したターゲットに対しての効果が出ているか、期待するコンバージョン率(CVR)に達しているか、分析を通して把握することが大切です。

思うような成果が出ていないときは、分析を通して原因を突き止め、ボトルネックになっている部分を改善する必要があります。

リスティング広告を出稿する際は単価を設定しますが、競合による入札が増えるとクリック単価(CPC)が上昇します。広告費の無駄を抑えるには、競合他社の広告も分析しつつ、適切なキーワードを適正な価格で入札することが大切です。

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リスティング広告分析で用いる9つの指標

リスティング広告を分析する際、以下の9つの指標を使用します。指標の理解が足りないと適切な分析ができず、分析結果や改善の方向性に悪影響をおよぼします。

リスティング広告を分析する前に、各指標の概要を理解しましょう。

表示回数(インプレッション数)

表示回数とは、検索結果画面に広告が表示された回数を示す指標です。

リスティング広告でコンバージョンを得るには、まずはユーザーに広告を見てもらう必要があります。表示回数では広告の露出度を把握できます。

表示回数が予想よりも少ない場合、キーワードの見直しや入札単価の調整などで露出度を増やす施策が必要です。

クリック数

クリック数はその名のとおり、広告がクリックされた回数のことです。クリック数は広告への興味・関心、広告とユーザーニーズのマッチング、広告の訴求力など測る指標となります。

クリック率(CTR)

クリック率(Click Through Rate)とは、検索結果画面に広告が表示された回数のうち、クリックされた割合のことです。クリック率が低い場合、広告の表示回数に対してクリックが少ないことを意味します。

また、割合を求めるときは、「クリック率(CTR)=(クリック数÷表示回数)×100」で計算します。

クリック単価(CPC)

クリック単価(Cost Per Click)とは、広告を1回のクリックするたびに発生した費用を示す指標のことです。「クリック単価(CPC)=広告費用÷クリック数」で求められます。

単価が低い場合、少ない費用で効率良く広告がクリックされており、反対に高い場合は1回のクリックを獲得するために多くの費用をかけていることを示します。

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コンバージョン数(CV数)

コンバージョン数とは、広告をクリックしたあとに、ユーザーがとった行動の回数を示します。コンバージョンに該当する行動は、商品の購買、問い合わせ、資料請求などが挙げられます。

コンバージョン数は売上に直結する指標となるため、リスティング広告の運用ではコンバージョンを増やす施策が必要です。

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コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率(Conversion Rate)とは、広告のクリック数に対する、コンバージョン数の割合のことです。「コンバージョン率(CVR)=コンバージョン数÷クリック数×100」の計算式で求められます。

コンバージョン率が低い場合、LPの内容がキーワードに合っていない、コンバージョンに至るまでの経路が複雑、といった要因が考えられます。

顧客獲得単価(CPA)

顧客獲得単価(Cost Per Action/Cost Per Acquisition)とは、1件のコンバージョンを得るために発生した平均単価のことです。「顧客獲得単価(CPA)=広告費用÷コンバージョン数」で数値を求められます。

顧客獲得単価(CPA)は、広告の費用対効果をより詳細に測る指標となります。仮に商品の購買をコンバージョンとする場合、費用対効果が高くなるよう顧客獲得単価(CPA)を低く抑える施策が必要です。

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広告の費用対効果(ROAS)

広告の費用対効果(Return On Advertising Spend)とは、広告費用に対する売上高の割合を示す指標です。ROASは、「広告の費用対効果(ROAS)=広告による売上金額÷広告費 ×100」で求められます。

ROASの数値が高ければ高いほど、広告の収益性が高く、広告として効果的であることを示します。問い合わせや資料請求など、売上に直結しないコンバージョンの場合、ROASを分析に活用することも有効です。

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インプレッションシェア

インプレッションシェアとは、広告の最大表示回数のうち、実際に広告が表示された割合を示す指標です。「インプレッションシェア=実際に広告が表示された回数 ÷ 広告の最大表示回数」の計算式で求められます。

例えば、あるキーワードのリスティング広告が最大で100回表示できた場合に、実際の表示回数が85回のときのインプレッションシェアは85%です。インプレッションシェアが100%未満の場合、広告を表示できていない機会があることを示します。

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リスティング広告を分析する4つの手順

リスティング広告を分析するときは、以下の手順に沿って実施します。

分析する目標を決める

リスティング広告を分析する目的は、広告の課題を把握し、解決することです。課題が明確化されていなければ、分析する際にどのデータを使えば良いのかわからなくなります。

現状の課題と目標(KPI)のギャップを把握し、分析する目標を明確にしましょう。

分析対象となる指標を決める

分析する目標が決まったら、分析対象となる指標を決めます。リスティング広告の分析では、表示回数、クリック数、クリック率、コンバージョン率(CVR)、クリック単価(CPC)などを分析対象の指標にするのが一般的です。

例えば、コンバージョン獲得が目的の場合はコンバージョン率(CVR)や顧客獲得単価(CPA)、認知度の拡大を目的にするなら表示回数やクリック数が適しています。分析対象に合わせたデータを抽出するため、広告ごとに分析をすることが大切です。

キャンペーンや広告グループの数値を確認する

広告を運用するアカウントの管理画面にアクセスすると、広告の表示回数やクリック数などのデータを確認できます。リスティング広告を分析するときは、管理画面から各広告のキャンペーン、キャンペーンに含まれる広告グループの指標を確認しましょう。

広告グループとは、同じ広告を配信するキーワードをグループにまとめたものです。広告グループ内の指標を確認しながら、目的の達成を阻害する原因を探しましょう。

分析対象の指標と広告グループを比較し、パフォーマンスの良いグループ、悪いグループに分けることでボトルネックの特定が可能です。

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キーワードごとの実績を確認する

各広告グループを細分化し、個別のキーワードになるまでドリルダウンによる分析を実施します。

リスティング広告分析におけるドリルダウンとは、アカウント全体からキャンペーン、広告グループ、広告キーワード、検索語句と順番に掘り下げて分析することです。キーワードごとに課題となる指標を特定することで、より正確なボトルネックを特定できます。

ボトルネックを探すときは、クリック単価(CPC)やコンバージョン率(CVR)、顧客獲得単価(CPA)などの指標を確認しましょう。どこを改善すれば課題が解決するか、という視点でデータをチェックすることが大切です。

リスティング広告の効果的な運用はプロにお任せ!

リスティング広告の費用対効果を向上させるには、日々の分析が不可欠です。しかし、広告の分析はいくつもの指標を用いるうえに、的確な分析をするには専門知識が求められます。自社に専門知識を持つ人材がいない場合には、広告運用のプロに依頼するのがおすすめです。

NTTデータ・ウィズは、NTTデータグループの一員として、実績豊富なコンサルタントが確かな運用力でお客様のマーケティングを支援します。

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分析に基づくリスティング広告の改善方法6選

リスティング広告の分析でボトルネックが明らかになったら、改善策を講じる必要があります。リスティング広告の分析における、代表的な改善方法は次のとおりです。

出稿キーワードの見直し

リスティング広告の表示回数が少ない場合、ユーザーニーズにマッチしていない可能性があります。検索回数が少なく、商材との関連性が低いキーワードを除外したうえで、ユーザーのニーズがあるキーワードへと変更しましょう。

キーワードの見直しにより、インプレッション数の最適化に加え、クリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)の改善につながるはずです。

また、キーワードを検討するときは、自社と競合他社のキーワードと比較することも重要なポイントです。競合他社が出稿していて自社が出稿していないキーワードで、かつ競争率が低いものはコンバージョンを獲得できる可能性があるといえるでしょう。

広告文の改善

表示回数があるものの、クリック数やクリック率が目標に届かない場合、広告文がユーザーのニーズに合っていない可能性があります。

コンバージョンを向上させたい目標キーワードに対し、ユーザーの興味を引く内容に文章を修正しましょう。具体的には、検索キーワードや数値を入れる方法が効果的です。

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ランディングページ(LP)の改善

リスティング広告の遷移先に設定するランディングページは、出稿しているキーワード、広告のタイトルやディスクリプション、LPのコンテンツの内容に一貫性を持たせる必要があります。

LPの内容が広告やキーワードとの関連性が低い場合、ユーザーがページから離れてしまいコンバージョンにつながりません。ユーザーのニーズに適したLPに改善することで、インプレッション数やクリック数の改善につながります。

LPを改善するときは、読みやすいコンテンツにするだけでなく、ABテストを実施して効果を検証することも効果的です。

入札単価の調整

リスティング広告の入札単価を調整することで、クリック単価(CPC)や広告ランク、インプレッションシェアを改善できます。

クリック単価(CPC)は広告ランクと競合の入札単価で決まるため、単価が低すぎると順位が低くなります。特に、顧客獲得単価(CPA)の改善で入札単価を下げた場合、表示される順位を確認しつつ単価を調整しましょう。

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キャンペーン予算の変更

リスティング広告の出稿において、キーワードと入札単価の設定が同一の広告は、予算の多いものが上位表示される仕組みとなっています。

成果の出ているキャンペーンに予算を割き、効果が低いものは予算を削ることで効率的な広告運用が可能です。ライバル企業よりも高い順位で広告を表示させるには、キャンペーン予算をこまめに変更しましょう。

ただし、キャンペーン予算を設定するときは、1日分として想定される広告費より高めの額で設定することが大切です。ギリギリの予算で設定した場合、広告が表示されにくくなるため注意しましょう。

外部要因の把握

出稿キーワードやクリエイティブは自分で改善できますが、外部要因の影響で広告効果が変わることもあります。例えば、コートや手袋など冬場と夏場で需要が異なる商品や、メディア露出による検索数の増加などが挙げられます。

内部要因を分析してもボトルネックが発見できないときは、外部要因がないかチェックすることが大切です。

適切なリスティング広告分析に必要な4つのポイント

リスティング広告を分析するときは、以下の点に注意しましょう。

指標の関連性を理解する

リスティング広告の分析では9種類の指標を活用しますが、どの指標を改善すれば良いか、関連性を理解しなければなりません。指標との関連を理解していないと、的確な分析ができないためです。

指標の関連性を理解するときは、リスティング広告のロジックツリーを覚える方法が効果的です。下図にあるようなロジックツリーを用いることで、どの指標を改善すれば課題が解決するのかを理解しやすくなります。

実績による数値で分析する

リスティング広告の分析は、客観的に理解できる実数値やデータなどの値をもとにすることが重要です。リスティング広告の運用を長く続けるほど、フィーリングや勘に頼ってしまう方も多くいます。

フィーリングでは正確な分析ができないため、数値をもとにしつつ、論理的な改善案を考えることが大切です。

分析する対象を明確にする

リスティング広告を分析する際、すべてのデータを同じように分析する必要はありません。成果に与えるインパクトが高いものから、優先順位をつけて分析を進めましょう。

インパクトが小さい部分を分析しても、広告の運用を改善できるほどの影響がないためです。

データがたまってから分析をする

リスティング広告を分析するには、十分なデータ量を確保する必要があります。なぜなら、データ量が多いほど正確な分析できるためです。データが少ないと分析が不十分になり、不適切な改善策をとってしまう可能性もあります。

どうしてもデータ量が少ない場合は、最低でも100クリック以上のデータを集めましょう。広告の配信直後はデータが足りないため、4日~5日ほど経過してから分析するのがおすすめです。

リスティング広告の分析で活用できる2つのツール

リスティング広告の分析で活用できる、代表的な2種類のツールについて解説します。

キーワードプランナー

キーワードプランナーとは、Googleでリスティング広告を出稿する際、キーワード調査に使用するツールのことです。

広告の表示回数、クリック数などもデータを確認できるうえに、需要のある新しいキーワードの発見や月間検索ボリューム、キーワードの競合性なども確認できます。

Google広告を出稿すると、キーワードプランナーの有料版を無料で利用できます。

【初心者向け】キーワードプランナーとは?特徴や機能・導入手順・使い方

Excel

表計算ソフトのExcelは、リスティング広告のデータ分析に役立つツールの一つです。

データの集計、分類、並べ替え、フィルタリングなどの機能である、「ピボットテーブル」が分析に役立ちます。データをピボットテーブルで処理すると、データの傾向や問題点を把握しやすくなるうえに、データの加工や比較も簡単にできます。

また、Excelの「関数」もデータ分析に必須です。はじめてリスティング広告を分析するときは、Excelを使うことで分析方法を学ぶ良い機会になるでしょう。

なお、Excelのソフトを持っていない場合、Googleのスプレッドシートでも代用可能です。

まとめ:リスティング広告の効果を最大化するには分析が必要

リスティング広告を分析するには、改善すべき課題や指標を決め、適切な手順で分析を進めることが大切です。キーワードプランナーやExcelなど、身近にあるツールでリスティング広告を分析できます。

ただし、指標の内容と関連性を理解したり、課題を洗い出してから分析する目標や対象を決めたりと、手順が多いことも事実です。

リスティング広告の運用を効率化したいときは、NTTデータ・ウィズに支援を依頼しましょう。リスティング広告運用に関しては、検索キーワードの意図に合わせた広告施策の実施、競合分析、LP作成などを一気通貫で支援してくれます。

はじめてリスティング広告を運用する方こそ、NTTデータ・ウィズのサービスをご活用ください。

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