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リスティング広告のオーディエンスリストとは?活用するメリットや作成方法
リスティング広告を運用しているけれど、ターゲットに対してうまくアプローチできないという悩みを抱えている方は少なくありません。また、オーディエンスリストが広告戦略に役立つと知りながらも、概要や作成方法などがわからず、活用できていないケースも多いでしょう。
リスティング広告の運用を成功させるためには、オーディエンスの正確な分析が重要です。オーディエンスリストを有効活用すると、ユーザー属性を詳細に把握し、見込みの高いユーザーにアプローチしやすくなるほか、リマーケティングにも効果を発揮します。
本記事では、リスティング広告におけるオーディエンスリストの概要を解説するとともに、分析するメリットや具体的な作成方法を紹介します。

目次
オーディエンスリストとは広告のターゲットをリスト化したもの
「オーディエンス(audience)」とは、「聴衆」や「観客」を意味する言葉です。
Webマーケティングの世界では、広告の受け手となる特定の「人」を指します。また、「オーディエンスリスト」とは、ユーザーの属性や使用デバイス、閲覧のタイミングなどを細かく分析して一覧化したものです。
特定のユーザーをターゲットにするだけでなく、広告配信から除外するユーザーをまとめるケースもあります。
オーディエンスリストを有効活用すると、コンバージョンにつながりやすいユーザーを絞り込めるため、広告の効果を高めることが可能です。さらに、成果が見込めないユーザーの除外によって、無駄な広告費の削減にもつながります。
オーディエンスリストの2つの種類

オーディエンスリストの種類は、広告を配信する媒体によって異なります。ここでは、おもな例としてGoogleとYahoo! JAPANのサービスについて解説します。
Google広告
Google広告のオーディエンスリストには、「カスタムオーディエンスリスト」と「リマーケティングリスト」の2種類があります。
カスタムオーディエンスリストは、配信する商材に関連するキーワードやURL、アプリを指定し、興味・関心の高いユーザーを一覧化したものです。指定したキーワードをGoogleの検索窓に入力し、情報を得ようとしたユーザーも対象に含められます。そのため、顕在顧客のアクションを促し、コンバージョン獲得を目指すうえで有効なリストといえます。
一方、リマーケティングリストは、Webサイトを訪れたユーザーのデータをまとめたものです。自社商材に関心を持っている可能性が高いため、再訪を促すリマーケティングに役立ちます。既存顧客に対するアプローチは、新規顧客の開拓よりもコンバージョンにつながる可能性が高まります。
Yahoo!広告
Yahoo!広告では、オーディエンスリストのことを「ターゲットリスト」と呼びます。Googleのリマーケティングリストと同じく、Webサイト訪問者のさまざまなデータをまとめることが可能です。
検索エンジンはGoogleの利用が多い傾向にありますが、日本ではYahoo! JAPANを使うユーザーも少なくありません。幅広い層を分析し、より高い効果を狙うには、Google広告とYahoo!広告の両方を活用するのが有効です。
ただし、広告には費用が発生するため、予算や配信目的を考慮したうえで導入を検討する必要があります。
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リスティング広告でオーディエンスリストを活用する3つのメリット

リスティング広告を運用する際は、オーディエンスリストを効果的に活用することが重要です。本項では、そのメリットを3つ解説します。
リマーケティングに役立つ
リマーケティングとは、自社サイトを訪れたユーザーに再訪問を促すマーケティング手法です。
オーディエンスリストを活用すると、すでに商材に興味を持っているユーザーの属性や使用デバイス、閲覧のタイミングなどを細かく絞り込めるため、最適なタイミングでアプローチしやすくなります。
リピーターは新規顧客と比べて獲得コストが低く、短期間でクリック率やコンバージョン率が向上すれば、費用対効果も高まります。また、既存顧客の情報をもとに類似するターゲットをリスト化し、効果的にアプローチすることも可能です。
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ターゲット精度が上がる
オーディエンスリストは、ユーザーの行動履歴や属性情報をもとに作成される一覧です。収集した情報を細かく分析することで、ターゲット精度が上がりやすくなります。
リスティング広告は、明確なニーズを持ったユーザーにアプローチしやすい一方で、キーワードによってはターゲットが広がりすぎ、不特定多数に配信されるケースも考えられるでしょう。また、クリックごとに費用が発生するため、ターゲット精度が低いと費用がかさむ可能性があります。
オーディエンスリストを活用すれば、出稿範囲や広告内容を最適化でき、適切なユーザーに無駄なく情報を届けられるようになります。
オーディエンスの属性を把握しやすくなる
オーディエンスリストを可視化することで、ユーザーの属性を具体的に把握できます。年齢や性別、地域などのユーザー分布を確認できれば、どの層にアプローチすれば効果的かが明確になります。
また、訪問履歴やページ滞在時間などの行動パターンの把握も広告効果アップにも役立つでしょう。
ただし、情報量が少ないと正確なデータ分析が難しくなります。十分な情報を得るためには、課題の発見と改善を繰り返しながら広告運用を続けることが大切です。
運用の継続によりオーディエンスの情報が蓄積され、より精度の高いオーディエンスリストが作成できるようになります。
リスティング広告はプロにお任せ!
自社内でリスティング広告を運用する場合、限られたリソースと専門知識では、効果的なオーディエンスリストの構築や活用が難しく、ターゲットへのアプローチが十分に行えないことがあります。
プロフェッショナルに依頼すれば、最新のデータ解析とマーケティング戦略を活用して、最適なオーディエンスリストを構築できます。
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Googleのオーディエンスリストの作成方法
Googleのオーディエンスリストは、以下の3つのステップで作成できます。
- 管理画面を開き、「ツールと設定」内の「オーディエンスマネージャー」を選択する
- 「+」をクリックして新規作成する
- 「ウェブサイトを訪れたユーザー」「アプリユーザー」「YouTubeユーザー」「顧客リスト」「組み合わせリスト」「類似リスト」の6項目を設定する
本項では、Googleのオーディエンスリストにおける6項目の設定方法について解説します。
ウェブサイトを訪れたユーザー
「ウェブサイトを訪れたユーザー」を設定する際は、まず条件ごとに分類するためにセグメント名を決めましょう。続いて、プルダウンメニューから登録するユーザーの種類を選びます。
例えば、「ページを訪問したユーザー」を選択すると、設定したWebサイトに訪問したユーザーの情報を一覧で確認できます。必要に応じて、ランディングページや特定のキャンペーンページの訪問者をリスト化するのも効果的です。また、一番上の階層を指定すると、すべての訪問者を把握できます。
最後に、有効期間や説明文を入力して設定完了です。
アプリユーザー
アプリユーザーとは、広告を通じてアプリを使用した実績のあるユーザーを指します。リスト化する際は、セグメント名を任意で決定し、対象となるアプリを選択します。最後に、有効期間や説明文を設定しましょう。
ただし、アプリユーザーのオーディエンスリストを活用するには、Googleが提供するアプリ開発プラットフォーム「Firebase」もしくは、「3rdパーティーのアプリ解析プラットフォーム」との連携が必要です。
YouTubeユーザー
YouTubeユーザーの設定では、広告からYouTubeチャンネルに移動したオーディエンスをリスト化できます。例えば、高評価したユーザーに対象を絞れば、より効果的に広告を配信することが可能です。
設定する際は、Google広告とYouTubeアカウントを連携させる必要があります。その後、オーディエンスマネージャーのプルダウンメニューから「YouTubeユーザー」を選択します。
最後に、オーディエンス名やリストに含めるユーザーの属性、有効期間などを入力し、設定完了です。
顧客リスト
顧客リストは、「カスタマーマッチ」とも呼ばれ、保有している顧客情報に基づいてまとめられた一覧です。例えば、電話番号や住所、メールアドレスなどの情報がリスト化されます。
ただし、顧客リストは重要な個人情報を扱うため、作成にはポリシーを遵守してきた実績や支払いトラブルがないことなど、厳しい基準を満たす必要があります。また、顧客リストを管理する際は、個人情報の取り扱いに十分に配慮しなければなりません。
さらに、顧客リストを作成する際には、「個人データの第三者への提供」や「外国にある第三者への提供」について、事前に同意を取得することが不可欠です。
組み合わせリスト
組み合わせリストとは、「ウェブサイトを訪れたユーザー」「アプリユーザー」「YouTubeユーザー」「顧客リスト」の情報を融合させたオーディエンスリストです。事前に作成したリストから特定の情報だけを組み合わせて、より信頼性の高いリストを作成します。
例えば、「30日以内にWebサイトを訪問したユーザー」と「コンバージョンしたユーザー」を組み合わせて除外することで、まだ購買や申し込みなどの具体的なアクションを取っていないユーザーだけに絞ることが可能です。
類似リスト
類似リストとは、オーディエンスリストをもとに、類似する属性のユーザーをリスト化する機能です。コンバージョンに至ったユーザーと興味関心が似ているユーザーを絞り込む際に役立ちます。
ただし、リストは自動的に作成されるため、手作業ではリスト化できません。また、オーディエンスリストには100人を超えるユーザーの登録が必要です。そのほか、ユーザーが登録されてからの時間や閲覧したサイトなどが条件となります。
なお、情報量が少ない場合は、条件に合致していても類似リストが作成されないことがあります。
Yahoo!のオーディエンスリスト(ターゲットリスト)の作成方法
Yahoo!広告のオーディエンスリストは、以下の4つのステップで作成可能です。
- 広告管理ツールで検索広告のアカウントを開く
- 画面右上の「ツール」をクリックする
- メニューの「ライブラリー」から「ターゲットリスト」を選択する
- 「+ターゲットリスト作成」を選び、「条件リスト」「組み合わせリスト」「類似リスト」「カスタムリスト」の4項目を設定する
本項では、最終的に設定する4つの項目について詳しく解説します。
条件リスト
条件リストは、Google広告の「ウェブサイトを訪れたユーザー」と同様の機能を持ち、広告配信時に、特定の条件を設定してターゲットユーザーを絞り込めます。
例えば、「トップページの訪問者」や「資料請求ページの訪問者」など、最大10個まで条件を設定することが可能です。
組み合わせリスト
Googleの「組み合わせリスト」と同様に、すでに作成した複数のリストを組み合わせて新たなオーディエンスリストを作成できます。
条件設定は「OR条件」「AND条件」「除外設定」の3種類から選択可能です。例えば、「30代男性」「カートに商品を追加したユーザー」をAND条件で絞ると、「30代男性のうちカートに商品を追加したユーザー」を抽出できます。
一方で、OR条件を適用すると、両方のユーザーを含むため、幅広い層に広告配信できる点が特徴です。目的に応じて設定条件を決め、リストを作成しましょう。
類似リスト
類似リストは、Yahoo! JAPAN内での行動履歴を解析し、オーディエンスリストで設定した条件に近いユーザーを抽出する機能です。
すでにWebサイトを訪れたことのあるユーザーに似たユーザーにアプローチできるため、コンバージョンにつながる可能性が高まります。
ただし、類似リストを作成するには、一定数の情報量が必要です。そのため、Yahoo!広告の運用を始めたばかりの段階では、活用が難しいことがあります。
カスタムリスト
カスタムリストは、Google広告の「顧客リスト」と同様の機能を提供します。自社で蓄積した顧客データをもとに、ターゲットを絞った広告配信が可能です。
リストを活用することで、見込みの高いユーザーに効果的に広告を配信できるという点が大きなメリットです。
また、除外リストも作成できます。例えば、新規顧客の獲得を目的に広告を配信する場合、すでにコンバージョンしたユーザーは除外することで無駄なクリックを排除できます。この機能により費用対効果が上がるほか、不要な広告表示が減り、企業イメージの低下を防ぐことも可能です。
リスティング広告でオーディエンスリストを活用する際の3つのコツ
リスティング広告で成果を上げるためには、オーディエンスリストの有効活用が重要です。ここでは、オーディエンスリストを活用する際の3つのコツを解説します。
オーディエンスが増えてから使う
オーディエンスリストの効果を最大化するには、十分な情報が蓄積されていなければなりません。自社サイトへの訪問数が少ない段階では、オーディエンスリストを設定しても正確な情報が得られないため注意が必要です。
訪問者が増えない場合は、リスティング広告の内容やキーワード、ランディングページ(LP)などの改善が求められます。例えば、印象に残るキャッチコピーを作成するほか、ニーズにマッチするキーワード選定も重要です。
オーディエンスの分析を深めてから質の高いユーザーリストを作る
オーディエンスリストを作成する際は、ユーザー分析を深めることが大切です。分析が不十分だと、コンバージョンにつながるユーザーを絞りきれません。
幅広い層に広告を配信しても費用対効果が上がらないため、まずは見込みの高いユーザーにアプローチできるように分析をしましょう。
どのような層が自社の商材に注目しているかを把握したうえで、ターゲット条件を細かく設定すると、オーディエンスリストの精度が向上します。こうした丁寧な分析は、コンバージョン率の改善や費用対効果向上に欠かせない作業です。
除外オーディエンスを活用する
除外オーディエンスとは、特定のユーザーに対して広告配信をしないための機能です。コンバージョンにつながらない属性を除外することで、より精度の高いリストが作成できます。特に予算が限られている場合には、効果的な手段といえるでしょう。
ただし、除外オーディエンスの設定は慎重に行なう必要があります。設定が適切でなかった場合は、リーチ可能な層が狭まり、結果としてコンバージョン獲得の機会を失う可能性もあるため注意しましょう。
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まとめ:オーディエンスリストをうまく活用してリスティング広告の効果を高めよう
オーディエンスリストは、リスティング広告の運用効果を高めるうえで重要なツールです。うまく活用すると、見込みの高いユーザーに直接アプローチしやすくなります。
ただし、リストの精度が低いと効果が上がらないため、注意が必要です。オーディエンスの数を増やし、分析を繰り返しながらコンバージョンにつながるリストを作ることが大切です。
また、ユーザー情報を正確に分析してオーディエンスリストに活かすには、マーケティングに関する高いスキルや知識が求められます。自社に適した人材が在籍していない場合やリソースを割けない場合は、専門家に任せるのが賢明です。
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