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リスティング広告を改善するには?流れと課題解決に役立つポイント
リスティング広告を出稿したものの、思ったように成果が上がらない場合があります。改善したいと思っているのに、どこから手を付けたらよいかわからないと悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
リスティング広告は、効果的に活用するポイントや指標を知ることで、成果を高められます。
この記事では、リスティング広告の結果が出ない原因や、現状把握のために確認すべき指標を紹介しながら、効果改善の施策の流れ・押さえるべきポイントについて解説します。

目次
リスティング広告で結果が出ない原因
リスティング広告で結果が出ない場合、いくつかの原因が考えられます。まずは、リスティング広告の運用で陥りやすいポイントについて解説します。
目的・目標が明確でない
リスティング広告で結果が出せていない理由の一つに、解決したい課題が明確でないことが考えられます。リスティング広告の運用では、実現可能で明確な目標を設定することが大切です。
目標設定に誤りがあるケースとしては、「根拠のない目標設定をしている」「希望的観測をもとに目標設定をしている」「過去の設定を検証せずそのまま運用している」などが挙げられます。
キーワードが適切でない
リスティング広告を出稿する際に、適切なキーワードが設定できておらず、結果が出ていない場合もあります。
ターゲット設定が明確に設定できていない場合、キーワード選定の際にスモールキーワードの設定が難しくなります。結果としてビッグキーワードで出稿するケースが増えますが、ビッグキーワードは競合が多いため、広告費を無駄にしてしまいかねません。
また、キーワードのなかに効果が見込めないキーワードや、ターゲットと異なるユーザーに関連するキーワードが入っているなど、設定・管理が十分でないケースもあります。
自社の新商品名や新サービス名をキーワードにしている場合も、認知度が低いと検索されることが少なく、広告が表示されにくくなります。
リスティング広告のキーワードについては、こちらの記事もご参照ください。
【Web担当者必見】リスティング広告のキーワード選定で成果を最大化させる方法
予算が足りない
リスティング広告のクリック単価は、オークションで決定するため、競合が多いキーワードでは入札価格が高騰しがちです。
さらに広告予算が十分でないと、「その日の予算を途中で使い切ってしまい、夜には広告の配信ができない」「露出回数が減ってクリック数を獲得しにくい」といった問題につながります。
LP・広告クリエイティブがニーズに合っていない
ユーザーがリスティング広告からLP(ランディングページ)に移動したにもかかわらず、期待した内容と実際のLPの内容に差がある場合も、成果につながりにくくなります。
広告運用の目標を設定せず、ユーザーのニーズを分析しないままLPを制作すると、期待する結果を得られません。効果的でなかった既存の広告文やLPを修正せずに使用している場合も、成果が出ない可能性が高いでしょう。
リスティング広告改善のために確認すべき指標
リスティング広告の運用では、指標を正しく理解し相関関係を知ることが重要です。ここでは、リスティング広告改善の際に検証すべき指標(数値)について解説します。
指標の種類と意味
リスティング広告運用の現状把握と改善のために、まずは以下の指標と意味を理解しましょう。
指標 | 意味 |
COST(費用) | 広告媒体(Google広告やYahoo!広告)に支払う広告費用 |
IMP(インプレッション数) | 広告がユーザーに表示された回数 |
CLICK(クリック数) | 広告がユーザーにクリックされた回数 |
CTR(クリック率) | 表示回数に対してクリックされた割合 |
CPC(クリック単価) | クリック1回にかかる広告費 |
CV(コンバージョン数) | 目的(購入・問い合わせなど)に到達した数 |
CVR(コンバージョン率) | クリック数に対して目的に到達した割合 |
CPA(コンバージョン単価) | コンバージョン1回にかかる広告費 |
各種指標の関係性
先述した指標は、それぞれ以下のような相関関係にあります。それぞれの指標の関連性を理解し、改善すべき指標を明確にしましょう。

リスティング広告の効果改善を考える流れ
リスティング広告の効果改善を考える際には、いくつかのステップがあります。広告運用がうまくいっていない場合、次のようなポイントを意識して取り組んでみましょう。
目標を明確にする
リスティング広告の改善方法を考える際、まずは広告運用の目的・目標を設定します。
ターゲットユーザーに広告配信できるよう、「商材やサービスを誰に届けたいか?」「どうやって届けるか?」「どのような状況で目標達成といえるか?」といったゴールを明確にしましょう。
課題を洗い出し原因を分析する
目標・目的が明確になったら、目標達成を妨げている課題を洗い出し、原因をピックアップします。例えばインプレッション数(IMP)が少ない場合は、「キーワードの選定ミス」「広告の品質スコアが低い」「予算不足」などの原因が考えられます。
特にリスティング広告では、コンバージョン単価(CPA)、コンバージョン数(CV)、予算設定が重要といわれています。現在の数値と目標数値を比較することで、原因・改善点を見つけましょう。
改善案を実施する
現状の課題をピックアップしたら、具体的な改善施策を整理します。上で取り上げたインプレッション数(IMP)の問題では、「マッチタイプの見直し」「品質スコアの改善」「予算の調整」などの検討が必要です。
原因に対して考えた施策は、一度にすべて取り組むのではなく、優先順位を決めて着手しましょう。改善策1つを一定期間実行し、指標の変化を観察します。
リスティング広告の改善効果は、一般的に3ヵ月から6ヵ月で表れるといわれています。その間PDCAをまわしながら、効果があった点・なかった点のデータを集め、指標の分析を進めてください。
次の章からは、リスティング広告の具体的な改善ポイントを、順に6つ紹介していきます。
リスティング広告改善ポイント①売上目標を明確にする
企業がリスティング広告を運用する場合、売上目標を明確に立てることが重要です。
「自社の商品・サービスをどのくらい売りたいのか」という具体的な目標を出すことで、効果測定・課題改善を実施しやすくなります。
広告の目標設定はプロにお任せ!
リスティング広告を導入する場合、具体的な目標数値の設定や、目標に対する効果測定など運用を自社で行うのが難しいと感じるケースもあるでしょう。そのような場合は、運用ノウハウが豊富なWeb広告のプロにご相談ください。
NTTデータ・ウィズはNTTデータグループの一員として、実績豊富なコンサルタントが確かな運用力でお客様のマーケティングを支援します。

リスティング広告改善ポイント②予算設定と配分を決める
リスティング広告の運用には、成果目標から割り出した予算設定と、予算の配分の改善が必要です。
1日ごとの予算単価を決める
リスティング広告に最低出稿額はないため、自社の成果目標から予算を算出します。広告の目標がコンバージョン数など明確な場合、予算算出は以下のようなシンプルな計算で求められます。
予算=目標コンバージョン単価(CPA)×目標コンバージョン数(CV)
例えば、目標CPAが5,000円、目標CVが100件の場合の計算は、以下のとおりです。
予算=5,000円×100件=50万円
リスティング広告は、クリック単価(CPC)から1日・1ヵ月の予算管理ができるので、予算の消化スピードなどの進捗状況を確認しながら運用を進めましょう。
予算配分を見直す
成果の悪いキャンペーンに予算配分されていないかをチェックすることも大切です。
キャンペーンとは、商品・サービスのカテゴリごとに作成する、広告を管理するための単位です。
予算配分の見直しでは、成果につながりにくいキーワードやグループから、効果の高い広告へ予算を再配分することが大切です。
リスティング広告のキャンペーンについては、こちらもご覧ください。
リスティング広告のキャンペーン|設定できる項目と適切な分け方
リスティング広告改善ポイント③IMP数を上げる
インプレッション数(IMP)を増やすには、マッチタイプの見直しやキーワード選定の再検討などが必要です。
マッチタイプを見直す
リスティング広告には、マッチタイプと呼ばれる、広告配信の範囲を指定する設定があります。マッチタイプの設定内容と、広告配信の条件は次のようになっています。
設定 | 検索時の広告配信の条件 |
完全一致 | 検索語句が、設定したキーワードと完全に一致する |
フレーズ一致 | 検索語句が、設定したキーワードを含んでいるか、同じ意味の語句を含む |
インテントマッチ(部分一致) | 検索語句が、設定したキーワードと関連が高い語句・内容 |
これらの設定では、「完全一致<フレーズ一致<インテントマッチ(部分一致)」の順で広告の配信範囲が広くなります。
インプレッション数(IMP)を増やすには広告範囲を広げるインテントマッチがおすすめですが、「意図しない検索クエリで表示される」「無駄なクリックが増加する」という問題点もあります。キーワードごとの成果を確認しながら、マッチタイプを見直してみましょう。
マッチタイプを上手に使い分けて成果アップ!3つの種類と適したシーン・有効活用のポイント
関連キーワードを増やす
商品やサービスによっては、キーワードの検索数が少ない場合や、広告に使えそうなキーワード自体が少ない場合があります。
キーワードが少ないとインプレッション数(IMP)が増えないため、関連キーワードを追加しましょう。クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)が良く、関連性が高いキーワードを選ぶことが大切です。
なおGoogle広告には「最適化案」、Yahoo!広告には「最適化提案」という機能があり、キーワードなどを提案してもらえるので、参考にしてもよいでしょう。
品質スコアを改善する
広告の品質スコアが高いほど、検索順位が上がります。品質スコアとは、次の3点を評価ポイントとし、10段階のスコアで評価したものです。
- 推定クリック率
- 広告の関連性
- LP(ランディングページ)の利便性
この3点を意識して品質スコアを改善することで、インプレッション数(IMP)の増加につながるでしょう。
リスティング広告の品質スコアを上げるには?スコアの構成要素と改善ポイント
入札単価を引き上げる
キーワードの検索順位を上げてインプレッション数(IMP)を増やすには、競合他社よりも優位な立場で運用することがポイントです。
先ほど紹介した品質スコアの改善も大切ですが、入札単価を引き上げることで、掲載順位が上がる可能性が高くなります。予算に対して可能な入札単価を調べたうえで、リスティング広告を有利に運営しましょう。
リスティング広告改善ポイント④CTRを上げる

インプレッション数(IMP)が十分だったとしても、クリック率(CTR)が低ければ、コンバージョンの可能性は低くなります。クリック率(CTR)の改善には、次のような施策を試してみましょう。
広告文の訴求力を見直す
クリック率(CTR)を上げるには、広告とキーワードの関連性や、広告文の訴求力を見直すことが大切です。ユーザーに検索されるキーワードや興味を持ってもらえる広告文を考えるために、ペルソナを作成するなどターゲットを明確にしましょう。
キーワードと広告文の関連性を高めるだけでなく、ユーザーが思わずクリックしたくなるような広告文にするには、以下のような視点で考えることが大切です。
- ユーザーの悩みに寄り添う
- ユーザーの潜在的なニーズを汲みとる
- ユーザーの課題や悩みを解決できる広告文にする
- キーワードを広告文に入れる
- 限定感のあるワードや数字を使って訴求する
効果的なリスティング広告の広告文を作るには?ポイントや注意点と改善策
運用中のキーワードを見直す
リスティング広告で運用しているキーワードが、ユーザーのニーズに合っていない場合もクリック率(CTR)は低くなります。配信しているキーワードのなかから、インプレッション数(IMP)は高くなっていてもクリック率(CTR)の低いキーワードを洗い出し、運用を見直しましょう。
同時に、クリック率(CTR)やインプレッション数(IMP)が高いキーワードから類似キーワードを選定することも、クリック率(CTR)の改善に役立ちます。
検索ボリュームを絞る
リスティング広告は、メインキーワードだけでなくロングテールキーワードを使って出稿しましょう。
ロングテールキーワードとは、複数のキーワードを組み合わせた、検索ボリュームの少ないキーワードを指します。「スモールキーワード」「ニッチキーワード」とも呼ばれます。
例えば、「リスティング広告」はビッグキーワードですが、「リスティング広告 運用 コツ」はロングテールキーワードになり、検索ボリュームも少なくなります。
検索ボリュームを絞ると競合サイトが少なくなるため、結果的に上位掲載されやすくなります。また、ターゲットを絞り込んで配信されるので、クリック率(CTR)アップにも効果的です。
アセット(広告表示オプション)を活用する
リスティング広告では、広告文(タイトルやURLなど)の下部に、電話番号や住所、アプリのリンクなどを追加表示することが可能です。
アセット(広告表示オプション)を活用すると、広告の視認性が向上し情報量が増えることから、クリックしてもらいやすくなります。
クリック率(CTR)について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
リスティング広告改善ポイント⑤CVRを上げる
コンバージョン率(CVR)は、コンバージョン数(CV)とクリック数(CLICK)で計算できます。
コンバージョン率(CVR)%=コンバージョン数(CV)÷クリック数(CLICK)×100
コンバージョン率(CVR)が低いということは、クリック数(CLICK)が多いにもかかわらず、コンバージョン数(CV)が少ないということになります。また同時に、コンバージョン単価(CPC)が高騰している状態ともいえます。
コンバージョン率(CVR)を上げるには、次のような施策が重要です。
キーワード設定を見直す
コンバージョンが見込めない、ターゲットから遠いキーワードでのクリックで予算を消化しすぎないようにします。閲覧後のアクションが少ないと考えられるキーワードは、思い切って外すのも一つの方法です。
また上の章の「IMPを上げる」でも紹介した、マッチタイプの見直しもおすすめです。
LPを改善する
検索したユーザーが広告文を見て期待したことと、LP(ランディングページ)の内容にずれがあるとユーザーは離脱してしまいます。LPが広告で興味を持ったターゲットのニーズをつかめているか、ファーストビューが魅力的かどうかなどをチェックしましょう。
このように効率良くコンバージョンを獲得できるようLPを改善することを「ランディングページ最適化(LPO)」と呼びます。
広告文を改善する
検索キーワードと広告の検索意図が一致していることが重要なため、設定したキーワードは、広告文に含めるようにしましょう。ユーザーのニーズを満たしているか、訴求ポイントがずれていないか、LPと相違がないかなどをチェックします。
リスティング広告のコンバージョンが少ないことでお悩みの方は、こちらもご参照ください。
リスティング広告のコンバージョンが少ない原因は?今すぐできる8つの解決策も公開
リスティング広告改善ポイント⑥CPCを抑える
クリック単価(CPC)は、1クリック当たりのコストを指します。クリック単価(CPC)を抑えることは、広告の費用対効果が向上することを意味します。ここでは、クリック単価(CPC)を抑えるための施策を解説します。
キーワードの入札単価を見直す
掲載順位を上げて広告の効果を高めるには、入札単価の引き上げが重要ですが、コストは高くなります。
その場合、成果が出ているキーワードの入札単価を上げ、成果が出にくいキーワードは入札単価を抑えます。成果によって入札単価を見直すことで、広告予算を削減しましょう。
キーワードを見直す
検索ボリュームの大きいキーワードは競合が多く、クリック単価(CPC)が高騰する傾向があります。予算を効果的に使うには、低い単価でコンバージョンしやすいキーワードが狙い目です。
クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)が高いキーワードグループを作成し、優先的に予算がまわる仕組みを作りましょう。
品質スコアを上げる
上の章「IMP数を上げる」でも紹介した品質スコアは、広告の掲載順位に影響します。さらに、スコアを高めることでクリック単価(CPC)は安くなります。
クリック単価(CPC)について詳しく知りたい方は、こちらもご参照ください。
まとめ:リスティング広告は、指標をチェックしながら課題解決に取り組もう
リスティング広告の改善は、現状を把握して課題を洗い出すことから始まります。指標を確認しながら目標を立て、計画的に改善施策を実施していきますが、指標の分析には時間と知識が必要です。
リスティング広告の運用に悩んだときは、プロに相談してみてもよいでしょう。NTTデータ・ウィズでは、リスティング広告運用、Web分析、サイトの制作・改善などを一気通貫でサポートいたします。

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