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リスティング広告を最適化する4つの方法|ケース別対処方法も知って効果的な運用を実現
リスティング広告の効果をさらに高めるためには、ブラッシュアップ(最適化)が必要です。しかし「リスティング広告の最適化といっても、何をすればいいのかよくわからない」とお困りかもしれません。
リスティング広告は、状況に応じて、4つの方向性から最適化を図れます。この記事では、リスティング広告の最適化とは何か、最適化の指標、最適化の方法について、わかりやすく解説します。

目次
リスティング広告の最適化とは?
リスティング広告の最適化とは、出稿したリスティング広告の費用対効果を高める取り組みのことです。広告で目的(購入・問い合わせの誘引など)を達成するためには、最適化の取り組みが欠かせません。
リスティング広告の最適化を図るときには、広告ランクについて理解しておく必要があります。広告ランクは「出稿したリスティング広告がユーザーに表示されるか」「どの位置・順位で掲載されるか」を左右するものです。このランクは、下記のようにして決定されます。
広告ランク=入札単価×品質スコア+広告アセット
また、広告ランクの決定に関係する項目の内容は、下記のとおりです。
- 入札単価……広告主が設定した、1クリック当たりにかける上限額
- 品質スコア……推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性などによって決まる指標
- 広告アセット……必須アセット(広告見出し・説明文など)、リンク、場所情報、連絡先などのナビゲーション情報から算定される指標
最適化を図る際は、各項目の内容を見直す必要があります。
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リスティング広告の最適化で用いるツール
リスティング広告を最適化するときには、GoogleやYahoo!JAPANなどの媒体が提供する管理ツール(Google広告、Yahoo!広告管理ツールなど)を利用します。管理ツールには、リスティング広告の最適化に役立つ施策を提示する機能が備わっています。基本的には、提案された改善案を参照して取り組めば問題ありません。
しかし、リスティング広告をスムーズに最適化したい場合や、さらに効果を高めたいときには、さまざまなデータについて理解・分析する必要があります。下記のようなツールを併用してデータを集め、最適化の精度を高められるように取り組むことも大切です。
- Google PageSpeed Insights……Webサイトの表示速度を計測するツール
- キーワードプランナー……適したキーワードの選定や、キーワードごとの平均クリック単価の推定値をチェックできるツール
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リスティング広告の最適化に用いる6系統の指標

リスティング広告を最適化する際に用いる指標を、6系統に分けてご紹介します。ひととおり確認しておき、分析に役立てましょう。
インプレッション/インプレッションシェア
広告がユーザーに対して表示された回数を、インプレッションといいます。インプレッションシェアは、掲載されるチャンスがあったなかで、実際に広告が表示された割合を指す指標です。インプレッションシェアは、下記の計算式で求められます。
インプレッションシェア=実際に広告が表示された回数÷広告の最大表示回数×100
広告は、登録・設定したキーワードで検索されたときでも、下記のような要因によって表示されないケースがあります。インプレッションシェアが低い場合は、どの要因が関係しているかを探りましょう。
- 設定した日予算を超過しており、広告を表示できなかった
- 入札価格が低かったため、より高い入札価格を提示した他社の広告が表示された
- 広告の品質について、より優良と判断されたほかの広告が表示された
- ターゲティング(性別・居住地など)によって、ユーザーが除外されていた
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クリック数・クリック率(CTR)
クリック数は、ユーザーが実際に広告をクリックした回数を示します。一方、クリック率は、表示回数(インプレッション)のうち、クリックにつながった割合を示す指標です。クリック率を自身で算出する場合は、下記の計算式を用います。
クリック率=クリック数÷表示回数×100
クリック率の低さは、広告が表示されたにもかかわらず、ユーザーがアクションを起こさなかったことを示します。クリックしてもらうためには、より魅力的な広告文にしたり、ユーザーニーズを再検討したりといった見直しが必要といえるでしょう。
クリック単価(CPC)
クリック単価は、1回のクリックで発生するコストのことです。下記の計算式で求められ、クリック単価が低いほど費用対効果が高いといえます。
クリック単価=広告費用÷クリック数
クリック単価が高いと、問い合わせや購入などの目的を達成できても、最終的に獲得できる利益は少なくなります。費用対効果を高めるなら、入札価格の見直しをはじめとする対応が必要です。
コンバージョン数(CV)/コンバージョン率(CVR)
コンバージョン数とは、購入や問い合わせなど、目的・成果(コンバージョン)へつながった件数を指します。一方、コンバージョン率は、クリックされたなかでどのくらいコンバージョンできたかを示す指標です。コンバージョン率を算出する際には、下記の計算式を用います。
コンバージョン率=コンバージョン数÷クリック数×100
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顧客獲得単価(CPA)
顧客獲得単価は、1件のコンバージョンを獲得するためにかかった平均費用のことです。リスティング広告を最適化するときは、顧客獲得単価を下げ、費用対効果を高める必要があります。顧客獲得単価は、下記の計算式で求められます。
顧客獲得単価=広告出稿にかかった総額÷コンバージョン数
「CPA(顧客獲得単価)」とは?意味や計算方法と改善のポイント
広告の費用対効果(ROAS)
ROASは、発生した売上に対し、出稿した広告がどの程度貢献したかを示す指標です。この数値が低い場合は、顧客獲得単価を下げたり、売上単価を上げたりする取り組みが必要です。算出するときには、下記の計算式を用います。
ROAS=広告から発生した売上÷広告出稿にかかった費用×100
ボトルネックへの対処方法

リスティング広告を最適化するためには、目標値(KPI)と実際の数値とのギャップを確認し、対処しなければなりません。その第一歩として、インプレッション数・コンバージョン率・顧客獲得単価などの各指標を確認し、ボトルネックを明確にする必要があります。ここからは、ボトルネック別の基本的な対処方法をご紹介します。
インプレッションが少ない場合の対処方法
インプレッション数が少なかったり、インプレッション率が低かったりする場合は、下記のような対処をする必要があります。
- キーワードと検索意図の見直し(キーワードの追加・除外、マッチタイプの変更)
- 入札単価の見直し
- 広告品質スコアの改善
管理画面上のデータや、キーワードプランナーでの分析結果をもとに対処方法を検討しましょう。
コンバージョン率が低い場合の対処方法
インプレッションやクリック率に問題がないにもかかわらず、コンバージョンにつながっていない場合は、ターゲティングの見直しや広告の品質向上に取り組む必要があります。クリックにつながっているキーワードとその検索意図について再確認し、適したリンク先(ランディングページ)へと誘導しましょう。
また、購買意欲が低いユーザーへのリーチを避けるためには、除外キーワードの設定や、マッチタイプの変更も有効です。
除外キーワードは、指定した語句を含む検索に対し、広告を表示しないよう設定する機能です。一方マッチタイプは、検索語句に対し、どれくらい一致している場合に広告を表示するかを決める設定を指します。ユーザー像を明確にしたうえで、キーワードとリンク先について重点的に見直しましょう。
状況に合った対処をしてコンバージョン率が改善されると、顧客獲得単価の改善も見込めます。ボトルネックを発見したら、早めに対応するようにしましょう。
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クリック単価が高い場合の対処方法
クリック単価が高く、広告出稿のコストがかさんでいる場合は、入札単価の引き下げを検討する必要があるでしょう。
ただし、入札単価を下げると、広告の表示回数が減ったり表示位置が下がったりするリスクもあります。広告スコアは「入札単価×品質スコア+広告アセット」で決定されるため、上記のリスクを軽減するには、入札単価以外の要素を改善する必要があります。入札単価を下げるときは、同時に品質スコアの改善や広告アセットの追加などに取り組みましょう。

リスティング広告の最適化方法
ボトルネックを見つけたら、適した対処法を実行する必要があります。具体的な対処方法をキーワード・キャンペーン・広告文・リンク先の4項目に分けてご紹介するので、課題に応じて確認しておきましょう。
1.キーワードの最適化方法
はじめに、キーワードを最適化する方法をご紹介します。キーワードの語句を見直す方法と、マッチタイプを見直す方法について確認しておきましょう。
キーワードを見直す
キーワードの語句を見直す場合は、広告の管理ツールだけでなく、キーワードプランナーなどの分析ツールも併用しましょう。そのキーワードで検索するユーザーが何を求めているのか、ニーズを深く探ることが重要です。
また、ときには、コンバージョンにつながっていないキーワードの除外設定をすることも必要です。例えば、高価格帯・高品質の商材を扱っているにもかかわらず「格安」と検索したユーザーにクリックされているケースが挙げられます。コンバージョンに結び付きにくいと判断されるキーワードは除外設定し、ニーズの高いユーザーに絞って広告を表示できるよう調整しましょう。
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マッチタイプを見直す
キーワードの設定時に、マッチタイプを決める必要があります。マッチタイプには、完全一致・フレーズ一致・部分一致の3種類があります。各タイプの種類と内容は、下記のとおりです。現在のマッチタイプを確認し、変更が必要かを検討しましょう。
- 完全一致……指定したキーワードと完全一致した場合に表示する
- フレーズ一致……指定したキーワードが含まれている場合に表示する
- 部分一致……指定したキーワードの一部が含まれている場合に表示する
完全一致の場合、精度が高く、インプレッションは低くなる傾向にあります。部分一致は広範囲のユーザーを対象にできる一方、関連性が低い場合も表示されるため、コンバージョンにつながりにくくなります。フレーズ一致はその中間に位置し、精度とインプレッションのバランスが良いマッチタイプです。
広告の露出を高めて認知度を上げたい場合は部分一致を、コンバージョン率を重視したい場合は完全一致を選ぶなど、目的に応じて使い分けましょう。
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2.キャンペーンの最適化方法
次に、キャンペーンの最適化方法として、ターゲティングの見直しや予算設定の見直しをご紹介します。
キャンペーン設計・ターゲティングを見直す
リスティング広告では、ターゲットごとに異なるキャンペーンを作成する必要があります。例えば、カゴ落ち状態の顧客と、商品ページを閲覧した顧客、潜在顧客とで、それぞれアプローチ方法が異なることはイメージしやすいのではないでしょうか。リスティング広告も同様に、ターゲットを明確にし、それぞれに特化した広告を作成しましょう。
また、キャンペーン設計を整理しておくと、広告運用のデータ収集や分析がスムーズになるメリットもあります。その結果、このあとご紹介する「自動入札」でも、効率化が図れるようになるでしょう。
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入札単価・入札方法を見直す
入札単価と入札方法について見直すのも大切です。特に入札単価は広告ランクを決める要素でもあるため、上限価格を上げれば、インプレッションの改善につながる可能性があります。ただし入札価格を上げるとコストがかさむため、品質スコアやインプレッションの実績とのバランスを見て調整しましょう。
また、入札方法には、自動入札と個別単価設定の2種類があります。自動入札は、実績に応じて自動調整される入札方法です。基本的には、こちらを選べば問題ありません。
ただし、広告運用の実績がまだ少ない場合は、自動入札を選ぶと意図しない設定額になる可能性があります。運用開始直後だったり、広告運用の専門知識を持つ人材がいたりする場合は、個別単価設定を選ぶのもよいでしょう。
3.広告文・キャッチコピーの最適化
広告文やキャッチコピーは、ユーザーの検索意図について分析し、ニーズに沿ったものへ変更しましょう。また、ユーザーの反応や競合他社の傾向などを踏まえつつ、定期的に変更することも大切です。リスティング広告のクリック率が低い場合は、ユーザーに響く内容にするために、下記のポイントを押さえて見直してみましょう。
- ターゲットを絞り込んだ表現にする
- 明確にメリットを提示し、一目で伝わる文章にする
- 行動を促すフレーズを盛り込む
また、広告文やキャッチコピーの見直しを図るときには、ABテストを実施すると効果的です。ABテストで検証をしたのち、効果的な組み合わせで配信できるよう分析しましょう。
リスティング広告でのA/Bテストのステップ|基本的なステップと成功させるポイント
4.リンク先の最適化
リンク先として設定している、ランディングページやお問い合わせページの内容を見直しましょう。その際、下記のポイントを押さえて確認することが大切です。
- 広告文章とリンク先が、一貫性のある内容になっているか
- 購入・問い合わせをしたくなるような、わかりやすく魅力的なページになっているか
- CTA・導線がわかりやすいか
- 読み込みがスピーディで、ストレスのないユーザー体験を提供できているか
広告文章とランディングページで一貫性を持たせるためには、ターゲットごとにキャンペーンを作成しておく必要があります。ターゲットごとに、特化した広告・ランディングページを用意しましょう。
また、せっかくクリックされても、途中離脱されてしまうとコンバージョンにつながりません。途中離脱を防ぐには、ユーザー体験も重視する必要があります。ランディングページをよりわかりやすくしたり、ページの読み込み速度をGoogle PageSpeed Insightでチェックしたりして、より良いユーザー体験ができるようにしましょう。
リスティング広告の最適化なら株式会社NTTデータ・ウィズにお任せください
リスティング広告の最適化を目指しているものの、自社で最適化することに課題を感じているご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。お悩みの際は、ぜひ株式会社NTTデータ・ウィズへご相談ください。
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お困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ:ポイントを押さえて効果な最適化方法に取り組もう
リスティング広告を最適化するためには、ボトルネックを明確にしたうえで、適した最適化方法を試みる必要があります。最適化の方法には、キーワードの最適化、キャンペーンの最適化、広告文・キャッチコピーの最適化、リンク先の最適化の4つがありました。リスティング広告の課題に応じて、施策を検討することが大切です。
NTTデータ・ウィズはWebマーケティングのサポートが可能です。お困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

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