CPCとはWeb広告の運用で用いられる指標の一つで、1クリック当たりの広告費用（クリック単価）を表すマーケティング用語です。Web広告の費用対効果と関連性が深い指標となっています。

この記事ではCPCの基礎知識に加え、CPM・CPAといった類似する用語との違い、CPCのメリット・デメリットを解説します。また、CPCを抑えて広告の費用対効果を高めるポイントも取り上げますので、ぜひ参考にしてください。

CPCとは「1クリックにかかる広告費用」のこと

CPCとは「Cost Per Click」（コスト・パー・クリック）の略語で、1クリック当たりの広告費用を表すマーケティング用語です。日本語では「クリック単価」と呼ばれています。

CPCが発生するのは「クリック課金型広告」や「クリック保証型広告」で、代表的なものとしてリスティング広告が該当します。

厳密にはクリック単価を指すCPCですが、クリック課金型広告のことをCPCと呼ぶ場合もあるので、使い分けに注意してください。

なお、CPCは次のような計算式で求められます。

CPC（クリック単価）＝広告掲載料÷獲得したクリック数

CPCが関連するWeb広告については、こちらもご参照ください。

リスティング広告とは？仕組みや費用などのポイント
ディスプレイ広告とは？メリット・デメリットとリスティング広告との違い

CPCとCPMの違い

CPCに似た関連ワードにCPMがあります。

CPMとは「Cost Per Mille」（コスト・パー・マイル）の略語で、広告が1,000回表示されるごとに発生する費用です。日本語ではインプレッション単価とも呼ばれています。

まとめると、CPCは広告をクリックした際の1回当たりの単価、またはクリック毎に課金されるシステムのことで、CPMは広告の表示回数（1,000回）当たりの単価、または表示回数ごとに課金されるシステムを表しています。

つまり、CPCは広告がいくら表示されても、クリックされなければ費用は発生しません。一方のCPMは、クリック率にかかわらず、表示された回数に応じて費用が発生します。

CPMは次のような計算式で求められます。

CPM（インプレッション単価）＝広告掲載料÷広告で表示された回数×1,000

インプレッションについてはこちらもご参照ください。

インプレッションとは？重要性から活用方法・増やす方法までの基本

CPCとCPAの違い

CPCに似た関連ワードにはCPAもあります。

CPAとは「Cost Per Acquisition」（コスト・パー・アクイジション）の略語です。

「Acquisition」とは「獲得」の意味なので、CPAは1コンバージョンを獲得するためにかかった費用、つまりコンバージョン単価・顧客獲得単価を指しています。

CPAは広告の費用対効果がわかる指標で、１コンバージョン当たりの単価が低いほど、効率良く無駄のない広告運営ができていると判断されます。

CPAは次のような計算式で求められます。

CPA（顧客獲得単価）＝広告掲載料÷コンバージョン数

CPAやコンバージョンについてより詳しく知りたい方は、こちらもご参照ください。

「CPA（顧客獲得単価）」とは？意味や計算方法と改善のポイント
コンバージョンとは？初心者でもわかる基礎から実践的な活用法まで

CPCが決まる仕組み

CPCはキーワードごとに異なり、価格にも幅があります。ここではCPCの決まり方について、Googleでリスティング広告を掲載するケースを取り上げます。

CPCはオークション方式によって決まりますが、広告表示される際には広告ランクが重要な指標となることをチェックしておきましょう。

オークション方式

CPCは競合他社とのオークションにより、価格が決定します。CV（コンバージョン）につながりやすいビッグワードや、CVしやすいキーワードほど競合が多いため、価格が高くなる傾向にあります。

オークションでより高い入札額を提示した企業を指標にCPCが決定され、その企業の広告は優先的に上位表示されます。例えば、「CPC 広告」というキーワードにA社が100円・B社が150円・C社が200円で入札した場合、C社が優先的に広告表示されるのです。

ただし、実際に広告表示される位置は、入札額だけでなく「広告ランク」という指標も加味されて決定されます。

広告ランク

広告ランクとは広告掲載順位を決定する指標で、いくつかの要素から広告の品質を分析し、ランク分けしたものです。

Googleの広告ランクは6つの要素に基づいていますが、特に次の3点に注目してください。

• 入札額
• 品質スコア
• 広告表示オプション

品質スコアとは、推定されるクリック率や広告の関連性、LP（ランディングページ）の利便性を10段階評価したものです。また、追加した広告表示オプション（広告アセット）の効果も考慮し、広告ランクを決定します。

つまり、CPC（クリック単価）はオークションにより決定されますが、実際のCPC（クリック課金型広告）の運営には広告ランクも大きく影響する、という仕組みになっています。

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CPC課金による広告のメリット3つ

ここからは、CPC（クリック課金型広告）のメリットについて紹介します。

無駄な広告費を抑制できる

CPCはクリック数に応じて課金されるシステムなので、表示されてもクリックされなければ広告費は発生しません。表示された広告に興味のないユーザーはクリックしないと考えられることから、無駄のない広告運営ができると推測されます。

ユーザーの行動がわかりやすい

CPCをクリックすると、ユーザーは自社のLP（ランディングページ）やWebサイトなどに遷移されます。つまり、ユーザーがどの広告からアクセスしたか、次にどのような行動をとるかを把握しやすくなっています。

広告効果が測定しやすい

CPCはクリックにより費用が発生するため、CPC（クリック単価）を計算すると広告の費用対効果がわかりやすくなります。

例えば、広告掲載料が2万円、クリック数が1,000回だった場合、冒頭で紹介した以下の計算式に当てはめると、CPC（クリック単価）は次のようになります。

CPC＝広告掲載料÷獲得したクリック数＝20,000÷1,000＝20

よって、この場合のCPCは20円です。

CPC課金による広告のデメリット2つ

次にCPCのデメリットについて解説します。

競合が多いキーワードは価格高騰しやすい

前章でも紹介したように、CPCはオークション形式で決定します。したがって、競合の多いキーワードは価格が高くなりやすい点はデメリットです。

自社の「取りたいキーワード」「勝ちたいキーワード」に競合が多い場合、入札することは広告費の高騰につながり、費用対効果が合わないケースも考えられます。

クリック数増加で広告費が高額になる

クリック数に応じて課金されるシステムは、当然ながらクリック率が高いと広告費が高額になります。特に、急にクリック数が増加した場合、想定よりも早く広告費の上限に達してしまう場合があり、注意が必要です。

ただし、一定のCVを確保できれば広告全体としてはメリットになるため、クリック数の増加が必ずしもデメリットになるわけではありません。

CPCを抑えて広告効果を上げる4つの方法

クリック課金型広告の費用対効果を高めるには、CPC（クリック単価）を抑えることが大切です。ここではそのための施策を紹介します。

広告とユーザーの検索意図を一致させる

広告とユーザーの検索意図の一致度合い、つまり「広告の関連性」を高めることで、ユーザーのニーズを把握した広告が出せるようになります。

Googleキーワードプランナーなどのキーワードツールを使って、キーワード分析を実施しましょう。ユーザーが何を求め、どのように行動するか考えることが重要です。

CPCの安いキーワードに入札する

CPCが高騰しやすいキーワードを避け、競合が少ないなどの理由でCPCの安いキーワードを選定するのも一つの手段です。自社サービスに関連したキーワードで、一定数の検索ニーズがあるニッチなキーワードを探してみましょう。

とはいえ、なかには検索するユーザーが極端に少なく、ニーズのないキーワードもあることには注意が必要です。

除外キーワードを設定する

除外キーワードとは、特定のキーワードで広告表示させないようにする機能です。ターゲットキーワードに似たようなもので、明らかに関連性の薄いキーワードや、CVにつながりにくいキーワードの表示を防ぐことで、広告費の無駄を省くことができます。

広告文の訴求力を高める

広告文の具体性を高めて、ユーザーへの訴求力を高めることも重要です。自社サービスの強みをアピールするだけでなく、行動を促す「見積もり」「購入」「申し込み」などの表現を盛り込むこと、「品質」「特典」などの具体的な情報を記載することも訴求力を高めます。

広告に興味を持つユーザーが絞り込まれるとクリック率は下がりますが、特定の層にアピールすることでCV率は上がる可能性があります。この場合も不要なクリックが減るため、広告費の節約につながります。

まとめ：CPCを理解して広告効果を最大化しよう

CPCは1クリック当たりの広告費用（クリック単価）を表すマーケティング用語で、同時にクリック課金型広告そのものを指すこともあります。

CPCはオークション方式で決定されますが、効果的な広告運用のためには、入札額だけでなく広告ランクを高めることが重要です。また、広告の費用対効果を高めるには、CPCを抑える工夫も必要でしょう。

CPCなどの指標の活用方法をはじめとするWeb広告の運用に悩んだら、ぜひプロにご相談ください。

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