本記事では、「CTR」とは何かを詳しく解説します。加えて、CTRの計算方法や業種別平均値、改善方法なども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

CTRはインターネット広告における重要な指標

CTR（Click Through Rate）はクリック率とも呼ばれ、インターネット広告の成果を測る際の重要な指標の一つです。「広告が表示された回数のうち、クリックされた回数の割合」を示し、広告がどれだけユーザーの興味を引いたかを把握するのに役立ちます。

しかし、広告の成功を判断する際はCTRだけに頼るのではなく、コンバージョン率やROI（費用対効果）などのほかの指標も考慮し、総合的に分析することが大切です。

コンバージョンとは？初心者でもわかる基礎から実践的な活用法まで
ROIとは？投資効果を測る重要指標の意味と計算方法・活用シーン

CTRの計算方法

CTRは、以下の計算式で算出します。

＜CTRの計算式＞
CTR（％）＝クリック数÷広告の表示回数（インプレッション数）×100

（例）

• 広告の表示回数が1,000回で、クリック数が50回の場合
  50（回）÷1,000（回）×100＝5（％）
  広告のCTRは、5％です。
• 広告の表示回数が1,000回で、クリック数が20回の場合
  20（回）÷1,000（回）×100＝1（％）
  広告のCTRは、1％です。

CTRは数値が高いほど、効率良く広告への流入を獲得できたことになります。具体的に何％あればよいのかについては「【業種別】CTRの平均値と特徴」で後述しています。

インプレッションとは？重要性から活用方法・増やす方法までの基本

CTRの重要性

CTRは、インターネット広告のパフォーマンスを査定するための重要なデータの一つです。CTRが高い場合、広告の訴求力が強く、ターゲットユーザーの関心を集めていると判断できます。

逆にCTRが低い場合は、ターゲット設定が適切でない、ユーザーにとって魅力的なタイトルや広告文になっていない可能性があります。

広告の目的は、広告を通じてサイトへの訪問を促し、商品購入やダウンロードといったアクションにつなげることです。そのためにも、広告を見た多くのユーザーにクリックしてもらう必要があります。

CTRを把握・分析することで、より効果的なマーケティング施策を展開できるようになります。

【業種別】CTRの特徴と平均値

ここでは、業種別にCTRの特徴と平均値を紹介します。

業種別CTRの特徴

CTRの平均値は業種ごとに大きく変わります。消費者向けのサービスや商品を扱う業種ではCTRが高くなる傾向ですが、BtoB関連の業界では低めの傾向です。

また、CTRの平均値は、広告を配信する媒体によっても異なります。

リスティング広告では2.0～6.0％程度、ディスプレイ広告では0.3～1.0％程度が平均的な水準です。検索キーワードに応じて表示されるリスティング広告に比べ、視覚的に訴求するディスプレイ広告はCTRが低い傾向です。

業種別CTRの平均値一覧

以下では、業界別CTRの平均値をリスティング広告とディスプレイ広告に分けてまとめています。

業種別CTRの平均値一覧

業界	リスティング広告の平均CTR	ディスプレイ広告の平均CTR
擁護団体	4.41％	0.59％
自動車	4.00％	0.60％
BtoB	2.41％	0.46％
カスタマーサービス	2.41％	0.51％
eコマース	2.69％	0.51％
教育系	3.78％	0.53％
求人サービス	2.42％	0.59％
金融・保険	2.91％	0.52％
健康・医療	3.27％	0.59％
家庭用品	2.44％	0.49％
産業サービス	2.61％	0.50％
法律	2.93％	0.59％
不動産	3.71％	1.08％
技術系	2.09％	0.39％
旅行・観光	4.68％	0.47％

参考：WordStream by LocaliQ「Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]」

リスティング広告とは？仕組みや費用などのポイント
ディスプレイ広告とは？メリット・デメリットとリスティング広告との違い

CTRを改善する方法5選

ここでは、CTRを改善するためのポイントを5つ紹介します。

適切なキーワードを使用しているか

CTRを改善させるには、適切なキーワードの選定が不可欠です。

キーワードには、「管理画面で設定するもの」と「テキストに含めるもの」の2種類があります。管理画面で設定する場合は、キーワードのマッチタイプが一致しているかの確認やキーワードプランナーで関連度をチェックしましょう。

一方、広告のテキストに含める場合は、検索されやすいワードや関連性の高い語句が入っているかを確認します。

ニーズに合ったキーワードを選ぶことで、より効果的な広告運用につなげることができます。

適切なターゲットを狙えているか

広告のCTRを向上させるには、適切なターゲットにリーチできているかが鍵となります。ターゲット層と合わないユーザーに広告が表示されると、CTRが下がる原因となるため注意が必要です。

ターゲット設定には、地域・年齢・性別などの要素を考慮し、誰に広告を届けたいかを明確にすることが大切です。

例えば、男性向け商品に女性をターゲットとして設定していないか、地域限定のサービスなのに全国に広告を配信していないかなど、細かい部分まで確認しましょう。

訴求ポイントを正しく設定できているか

訴求ポイントとは、ユーザーの「悩み」や「不満」、それに対する解決策のことです。このポイントが適切でないと、CTRの低下につながります。

初めてその商品やサービスを知るユーザーは、「ほかにもっと良い商品があるのでは」と疑問を抱くことがあります。一方、類似サービスを利用したユーザーは、「以前の商品は満足できなかった」「もっとコストを抑えたかった」といった不満をもっていることも。

こうしたユーザー心理を踏まえて、広告内で不安を払拭し「これは試してみたい」と思わせることが、CTRの向上につながります。

説得力のある内容になっているか

ユーザーの関心を引くには、具体的でわかりやすい表現を用いることが重要です。ユーザーが「この商品・サービスは本当に良さそう」と納得できる情報を提供するようにしましょう。

例えば、「業界トップクラス」よりも「1,000社以上の取引実績あり！」と実績を示すことで、より信頼性が高まります。同様に、「多くの人が利用中」ではなく、「リピート率97.8％」のように、具体的な数値を用いるとより説得力が増します。

次のアクションにつながる内容を含んでいるか

CTRの向上を目指すなら、ユーザーが次の行動（アクション）を取りやすい内容になるよう意識しましょう。特に、購入の決め手となる「購買決定要因」を明確にすることが重要です。

例えば、サービス提供エリアや購入可能な店舗の情報は、意思決定の判断材料になります。また、水回りなどの緊急性の高いサービスでは、「24時間365日対応」といった情報を目立たせると、クリックにつながりやすいでしょう。

SEOでCTRを高めるポイント4選

ここでは、SEOでCTRを高める4つのポイントを紹介します。

ページタイトル・説明文を工夫する

ユーザーが求めている情報を的確に伝えるために、タイトルや説明文の内容を工夫することが大切です。検索意図にマッチした情報を含めることで、ページの関連性が高まり、クリックされる可能性が上がります。

特に、SEOで上位表示されているキーワードはタイトルや説明文に組み込むようにし、検索ユーザーの関心を引けるようアピールしましょう。

ページタイトルは30文字以内を目安に調整する

タイトルが長すぎると検索結果の画面で表示しきれず、内容を十分に伝えられなくなってしまいます。せっかくユーザーニーズに沿ったタイトルをつけても、見えなければ意味がありません。そのため、タイトルの文字数は30文字以内が目安です。

どうしても30文字を超える場合は、検索意図に合致するキーワードを30文字以内に配置するようにしましょう。

重要なキーワードは左側に置く

人は文章を左から右へと視認するため、重要なキーワードはタイトルの前方に配置すると効果的です。

特に、タイトルの最初にキーワードを入れると、ユーザーが自分の探している情報と関連性があることを一目で判断できます。

サイトへの誘導を意識する

検索結果の画面に表示される説明文（メタディスクリプション）は重要な役割をもちます。説明文はSEO順位に直接影響しませんが、ユーザーにとっての「記事の要約文」となるためCTRを左右するポイントになります。

説明文にはキーワードを詰め込みすぎず、ユーザーの興味を引くよう、記事の要点をわかりやすくまとめましょう。文字数は80～120文字程度が適切です。

広告運用をプロに任せる！

ポイントを押さえた広告の作成や運用を自社で行うのは難しいと感じる方もいるはずです。そのような場合は外部に依頼してみるのも選択肢の一つです。

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広告のCTRを改善するポイント4選

広告のCTRを改善するためのポイントを4つ紹介します。

広告文に数値を入れる

メリットを明確に伝えるには、以下のように具体的な数値を入れましょう。

（例）

• 全品20％オフ
• お客様満足度97.5％
• 入会金0円

ただし、価格を記載するかどうかは慎重に判断してください。特に競合と価格勝負になりやすい商品では、価格を前面に出すと見劣りしてしまうことがあるためです。また、安さを強調しすぎると、ブランド価値が損なわれる可能性もあります。

キャンペーン内容は数値化して打ち出す

キャンペーンや期間限定の特典を効果的に伝えるには、できるだけ具体的な数値を入れて表現し、訴求力を増すようにします。

例えば、以下のように割引率や金額を入れるだけでユーザーの目に留まりやすくなります。

（例）

• アクセサリー セール中　→　アクセサリー 全品50％オフ
• スキンケア トライアルセット　→　スキンケアセット【初回限定980円】

感情に訴える

ユーザーの興味を引くには、感情を揺さぶる言葉を使うと効果的です。さらに、「！」や「？」などの記号を適度に使うと広告の印象が強まり、CTR向上が期待できます。

（例）

• 初心者でも安心！1000円から始められる株式投資
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ただし、広告媒体によっては記号の使用に制限がある場合もあるため、掲載前にガイドラインを確認するようにしましょう。

行動を促す文章を入れる

広告を見たユーザーが次のアクションを起こしやすくするために、具体的な行動を示す言葉を加えましょう。

（例）

• 期間限定！今すぐ申し込み
• 無料でお試し
• まずは資料請求
• 今だけ半額セール

上記のように、ユーザーがクリック後に何をすればよいかを明確にすることで、コンバージョンにつなげやすくなります。

まとめ：CTRを高めてアクションを起こしてもらおう

CTR（クリック率）は、「広告が表示された回数のうち、クリックされた回数の割合」です。

CTRが高いほど、ユーザーの関心を引いていることを意味します。CTRが低い場合は、ターゲット設定や広告の内容を見直し、適切な改善策を講じる必要があります。まずは、本記事で紹介したCTRを改善する方法を試してみましょう。

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